調査・検討対象

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HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)

1 HPVワクチンとは

  1. (1) 子宮頸がんの発生には、その多くにヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus:HPV)の感染が関連しており、子宮頸がん患者の90%以上からHPVが検出される。
    HPVのタイプは100種類以上あり、そのうちの約15種類は子宮頸がんの原因となることが多く、「発がん性 HPV(ハイリスク型HPV)」と呼ばれている。
  2. (2) HPVワクチンは、被接種者が子宮頸がんの発生に関与するHPVへの感染を予防し、また、感染後の発症(がん化)を予防することを目的とする。
  3. (3) 製剤の種類(商品名:承認年:企業名)
    サーバリックス:2009年:グラクソスミスクライン社
    ガーダシル:2011年:MSD社

2 取り上げた経緯

2009(平成21)年10月、HPVワクチン(サーバリックス)が厚生労働省より認可され、日本国内での販売が開始された。開始後から厚生労働省は部会を設置し、公費助成や定期接種化に向けた取り組みを開始したが、当会議は、2010(平成22)年11月、「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種に関する当会議の見解」を作成し、主に接種対象者の自己決定権を保障するという観点から問題提起をした。
しかし、同月、ワクチン接種に関し公費助成が決定され、2013(平成25)年4月には予防接種法が改正され、定期接種化が実施された。
こうした流れの中、HPVワクチンの被接種者は累計約770万人となったが(厚生労働省発表資料)、これら被接種者のうち、一定数の者に、ギラン・バレー症候群や急性散在性脳脊髄炎などの重篤な自己免疫性疾患等の副反応被害が発生した。
厚生労働省は2013(平成23)年6月、予防接種法に基づく地方自治体の長等による定期接種の積極的勧奨を一時中止する措置を執ったものの、定期接種化そのものの中止には至っていない。
しかし、HPVワクチンの有効性と安全性、そして情報提供体制等に関して、以下に述べる問題点があることから、当会議で再度取り上げることとした。

3 何が問題か

  1. (1) 有効性と安全性が確立しておらず定期接種化すべき理由はない
    HPVワクチンには、以下に述べるように、定期接種化により国民に接種を義務付けるほどの十分な合理的理由(有効性と安全性)はない。
    1. ア 有効性
      1. ① 現時点において、子宮頸がん発症を予防する効果は確認されていない。確認されているのは、粘膜の異形成を阻止する効果だけであり、その持続期間も最長で約9.4年である。
      2. ② 日本人女性の子宮頸がん患者の約5割程度で見つかるハイリスクHPV型(16型、18型)でしか効果が確認されておらず、かつ、効果それ自体についても解析集団の設定に問題があることから相当程度限定して考えるべきである。
      3. ③ 既にHPV16型または18型に感染している者には効果はない。
      4. ④ HPVワクチンは、複数ある子宮頸がんの予防・治療対策の一つにしかならず、同ワクチンをもって根本的な予防対策と位置づけることは困難である。
    2. イ 安全性
      1. ① HPVワクチンは接種者に一定数の副反応を惹起する上、副反応の中には接種者の生命身体に大きな影響を及ぼす重篤な副反応(ギラン・バレー症候群等の自己免疫性疾患)が生じる可能性がある。
      2. ② 厚生労働省の公表する副反応発症頻度と副反応数は、実際よりも過小な数値である可能性が高く、氷山の一角に過ぎないと考えられる。
  2. (2) 上記問題点が正確に提供されておらず、接種対象者だけでなく、医療従事者等も含む関係者に周知徹底する必要がある。
  3. (3) 任意接種患者に対しては適正な補償の道が閉ざされている
    1. ア 副反応被害に遭った際の補償
      任意接種の場合…医薬品副作用被害救済制度
      定期接種の場合…予防接種法に基づく補償請求
    2. イ 医薬品副作用被害救済制度では、予防接種法の救済制度と比較して、以下の点で補償範囲及び内容が限定されている。
      1. ① 補償対象が「病院又は診療所への入院を要すると認められる場合に必要な程度の医療」を受ける場合に限定されている。
      2. ② 障害児養育年金及び障害年金の金額が少ない。
      3. ③ 支給対象となる等級も障害3級は認められない。
    3. ウ しかし、HPVワクチンの承認後早期から国が公費助成施策を推進するなどして接種を事実上推奨してきた経過に鑑みれば、任意接種と定期接種とで補償範囲に差を設けるべき合理的理由は存在しない。
      ※厚労省は、2015年9月、この差を緩和するため、任意接種の場合に、通院でも医療費と医療手当を支給する方針を決定した。
  4. (4) 推進派医師の利益相反
    2013年に開始された製薬協ガイドラインに基づく製薬企業の情報開示により、「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」(以下、「専門家会議」)に対し、2012年度に、GSK、MSDの2社から合計3500万円もの寄付がなされていることが判明。その後も同水準の寄付が毎年継続されている。また、GSKの元ワクチンマーケティング部長が専門家会議の委託を受けて、HPVワクチンの接種推進運動に関与していたことも明らかとなった。専門家会議とその所属医師らは、HPVワクチンの公費助成の実現と接種推進の活動を活発に行い、国のワクチン政策と世論の形成に大きな影響与えてきた。その活動は、啓発に名を借りた、ワクチンメーカーの資金によるマーケティング活動としての機能を果たしていると言える。

4 基本的な行動方針

    1. ① HPVワクチンの積極的勧奨の再開を阻止し、さらに定期接種の対象から除外するよう求める。
    2. ② 市民に対し、HPVワクチンの上記のような有効性・安全性についての正しい情報をわかりやすく伝える。
    3. ③ 国内・国外の副反応被害について情報収集し、安全性を検討する。
    4. ④ クチンメーカーと医師の利益相反を追及する。

5 具体的行動

  1. (1) 2013年8月23日、「子宮頸がんワクチンに関する本当のQ&A」を作成し、当会議のホームページ上で公開した。
  2. (2) 2013年9月25日、「『子宮頸がんワクチン(ヒトパピローマウイルスワクチン)』に関する要望書」を厚生労働大臣、各製薬企業及び関係各学会に提出し、①HPVワクチンの非定期接種化、②任意接種後の副反応被害者に対する定期接種と同等の補償、③副反応症例の調査と結果公表、④有効性・安全性に関する情報のわかりやすい提供を求めた。
  3. (3) 2013年12月25日、「『HPVワクチン』(子宮頸がんワクチン)の費用対効果に関する見解』を公表し、HPVワクチンの定期接種化に際して検討された費用対効果に関する論文について、利益相反の問題があり、かつ内容においても、HPVワクチンの有効性を過大に評価する一方で副反応被害による損失を考慮していない、ワクチンの接種費用をゼロとするなど、HPVワクチンにきわめて有利な前提条件を設定しており妥当性を欠くことを指摘した。
  4. (4) 2014年1月22日、「『子宮頸がんワクチン』に関する2014年1月20日の厚労省審議会について」を公表し、子宮頸がんワクチン接種後に多数発生している広範な疼痛または運動障害について、針を刺した疼痛の刺激や不安が惹起した心身の反応であり、ワクチンの成分が原因ではないとした審議会のまとめの科学的不当性を指摘した。
  5. (5) 2014年1月27日、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会、日本消費者連盟、ワクチントーク全国及び薬害対策弁護士連絡会との共催で、「『子宮頸がんワクチン』定期接種の積極推奨再開に反対する院内緊急集会」を開催した。
  6. (6) 2014年2月24日、上記審議会の次回開催に先立ち、意見書「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)に関する厚生労働省の審議結果批判 −接種の積極的勧奨の再開に強く反対する−」を厚生労働大臣及び審議会に提出し、(4)の審議結果の問題点を指摘すると共に、定期接種の中止、積極的勧奨の差し控えの継続を求めた。
  7. (7) 2014年3月1日、「2月26日のHPVワクチン(「子宮頸がんワクチン」)に関する厚生労働省意見交換会及び審議会の審議について」を公表し、国内の副反応症例とワクチン成分の因果関係の可能性を指摘する見解に対しては厳密な科学的立証を要求してこれを排斥する一方で、自らの「心身の反応」論に対する科学的疑問を無視する、審議会の偏った審議姿勢の問題点を指摘した。
  8. (8) 2014年3月に開始された全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会による副反応被害実態調査を、薬害対策弁護士連絡会と共に協力して実施した。
  9. (9) 2014年5月29日、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会、日本消費者連盟、及び薬害対策弁護士連絡会との共催で、院内集会「子宮頸がんワクチン ・ 聞いて下さい!被害者の声」を開催し、前記被害実態調査の聴き取り結果の一部を陳述書形式でまとめた「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)副反応被害報告集」を公表した(その後ホームページにも掲載)
  10. (10) 2014年6月18日、専門家会議に対して、「ワクチンメーカーとの経済的関係に関する公開質問書」を提出し、設立以来の寄付額、専門家会議から所属医師に支払われた金銭等の開示を求めた。
  11. (11) 2014年7月17日、専門家会議に対し、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会との連名で「ワクチンメーカーとの関係に関する公開再質問書」を提出し、前項の公開質問への回答を再度求めるとともに、GSK社元ワクチンマーケティング部長をめぐる事実関係について説明を求めた。
  12. (12) 2014年7月18日、専門家会議がワクチンメーカーとの経済的関係の開示を拒否する旨のステートメントを公表したのに対し、これに反論・批判する声明を公表した。
  13. (13) 2014年7月27日、医薬品・治療研究会との共催で、シンポジウム「医薬品の安全監視を考える〜『子宮頸がんワクチン』被害からの問題提起」を開催した。
  14. (14) 2014年10月24日、副反応被害報告集 「愛知県第1集」「大阪支部版」をホームページ上で公表した。
  15. (15) 2015年2月26日、ワクチンメーカーによる専門家会議に対する巨額の寄付、及びGSK元社員による労務提供は医療用医薬品プロモーションコードに違反し、あるいはこれを蝉脱するものであるとして、日本製薬工業協会に対し「HPVワクチンメーカーによるコード違反被疑事案に関する苦情申立て」を提出した。しかし、製薬協は、当事者であるワクチンメーカー2社からの資料提出と説明を受けただけというきわめて形式的な調査を行ったのみで、コードに違反しない、あるいは違反するとは判断できないとの結論を下した。
  16. (16) 2015年3月31日、参議院議員会館において、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会及び薬害対策弁護士連絡会との共催により、「子宮頸がんワクチン副反応被害問題の全面解決を求める院内集会」を開催し、併せて副反応被害報告集第2集を公表した。
  17. (17) 2015年3月31日、「HPVJAPAN」という名義で、HPVワクチン接種後に発生している重篤な健康障害とワクチンとの因果関係を否定し、関連報道を批判するとともに、ワクチンの接種を進めるべきであるとする声明が発表された。これに対し、HPVJAPAN声明の因果関係についての理解の誤り、有効性・必要性に関する記載が正確性を欠くこと、HPVJAPANと専門家会議の事務局電話番号が同一であり、メーカーから巨額の寄付を受ける専門家会議との関係が疑われることなどを指摘した「『HPVJAPAN』声明の問題点に関する見解」を2015年4月15日に公表した。

6 今後の課題

引き続き、基本的な行動方針に従い各課題の実現に向けて取り組む。

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