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 厚労省の審議会は、HPVワクチンのリーフレットを改定するという方針を打ち出しています。これによって、HPVワクチンの危険性を過小に、有効性を過大に、そして子宮頸がんの怖さを強調するように改定されたリーフレットが、接種対象年齢の方々に個別に通知されることが危惧されます。

 厚労省は、個別に通知はするが、あくまで情報提供であり、接種の積極的勧奨ではないとしています。

 しかし、ワクチンの深刻なリスクや有効性の限界を十分に伝えず、読んだら接種したくなるような内容のリーフレットを個別に通知するのは、結局のところ「情報提供を装った積極的勧奨」です。

 HPVワクチンの接種による深刻な被害にあっている方々が、口をそろえて言うことは、「こんなリスクは知らされていなかった、知っていたら接種はしなかった」ということです。不都合な真実を誠実に伝えるということが、まずは必要なのです。

 その点でいえば、現在の医師向けのリーフレットには学習障害などを記載しているのに、本人や保護者向けのリーフレットにはその記載がなく、リスクが正確に伝えられていないということこそ問題なのですが、審議会ではこの点の改定は議論されていません。

 審議会では、わかりやすく伝えるためとして、広告会社の関係者を招いて意見を聞くなどしていますが、リーフレットのわかりにくさの本質は、伝え方の問題ではないと思います。定期接種にしておきながら、積極的勧奨を中止するという政策、ひいては有効性と安全性の吟味が不十分なまま市場に出てしまったHPVワクチンそれ自体がそもそもわかりにくいのです。

 疫学データは、積極的勧奨の中止により被害の発生が激減したことを示しています。積極的勧奨を再開すれば被害が再燃することは必至です。厚労省が設置した協力医療機関は十分に機能していませんので、適切な医療を受けられない被害者が多数生まれるでしょう。

 HPVワクチンを定期接種からはずすということこそ今求められていることなのです。

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