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 3月のさわやかな春の日、私は東京に到着しました。それまで数週間かけて、発表の準備を行ってきました。イギリス、スペイン、コロンビア、そしてもちろん日本の被害者団体の代表とともに発表を行うためです。

 アイルランドではメディアから完全に扉を閉ざされ、保健当局からはHPVワクチン被害者のための調査や助けや支援ではなく、攻撃を受けてきました。ですから、私たちの側からの物語を話すことのできるこのシンポジウムは、うれしい機会でした。

 アイルランドの状況を公に話す機会がうれしかったのは、娘のために助けを求めると国の保健当局から「感情テロリスト」とレッテルを貼られた私たちが、被害者が訴える症状群の深刻さについて、安全な環境で話すことができたからです。

 この数年間、年若い被害者たちが保健省やHSE(保健サービス機構)、アイルランドがん学会から徹底的に敵視され、国内のメディアを使って際限なく攻撃されてきた衝撃は、言葉にするのが難しいほどです。

 おそろしい副作用に苦しむ他の国の被害者たちも私たちと同じように、それぞれの国の当局から詐病であるとして非難や攻撃を受け続けているという痛ましい話を聞いて、本当に驚きました。このような非難はまったく根拠がないと自信を持って言えます。私たちはそれぞれの国でHPVワクチン接種後、慢性の症状群に苦しんでいるという顕著な共通点を明らかにしているからです。とても勇敢に裁判を闘っている日本の少女たちとの出会いは、私の心に永遠に刻まれました。

 シンポジウムは周到に準備されていて、メディアが取材に来ていたのはうれしい驚きでした。翌朝、日本のテレビニュースでシンポジウムのことや私たちの発言の一部が報じられるのを見たときは、安堵の涙が出ました。私たちのフェイスブックに「噂を無視しよう」と呼びかけるHSEの広告が執拗に表示されるアイルランドの状況とは、まったく対照的です。

 アイルランドでは最近、HPVワクチン推進の強力なPRキャンペーンの先鋒である子宮頸がん検診事業「Cervical Check」に疑義が生じるスキャンダルが発覚しました。そして今、子宮頸がんの若い患者さんがメディアに頻繁に登場して、ワクチン接種を親たちに呼びかけています。この動きによって、男の子を対象とした緊急接種事業の論議が生まれていますが、一方で、私たちの娘たちのことは調査もせず、放置したままなのです。

 私たちは薬害オンブズパースン会議が東京で開催したシンポジウムに参集し、HPVワクチンに関する共同宣言2018を行い、各国の保健当局が唱える安全マントラに明確に反対の立場を貫く力と希望を手にしました。この壮大なスキャンダルが自然消滅することはありません。私たちが力を合わせることによってのみ、真実を白日の下にさらしていくことができるのです。

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