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パキシル訴訟 GSK社とNY州当局が和解確認 GSK社は情報公開を率先して推進

2004-09-30

パキシル訴訟 GSK社とNY州当局が和解確認 GSK社は情報公開を率先して推進
  (キーワード: パキシル(パロキセチン)、情報隠匿、訴訟和解、GSK社、ニュ
  ーヨーク州当局、スピッツァー検事総長、臨床試験登録、臨床試験成績公開)

 パキシルのデータ隠匿について6月にニューヨーク州当局(スピッツァー検事総
長)がグラクソ・スミスクライン(GSK)社を提訴した事件(※1)は、直後にGSK社が膨
大な当該データをホームページに掲載するとともに、今後臨床試験を登録しその結
果をホームページに公開する制度を実施すると表明し、その影響が米国での臨床試
験結果の透明性を高める方向で広がっています。

 FDCレポート「ピンクシート」誌2004年8月30日号、スクリップ誌2004年9月1日/3
日合併号が、GSK社が訴訟に関しニューヨーク州当局と和解したことを伝えていま
す。GSK社は、臨床試験の登録を行いホームページに公表すること、全製品につい
ての臨床試験結果の概略を2005年末までに公表すること、今後新製品の上市後10か
月以内に臨床試験結果の概略を公表することなどを求められています。また和解結
果について7つの著名医学雑誌に早急に公告するよう求められています。以下は伝
えられる8月26日の和解確認の要旨です。

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  現在市販している製品の進行中の臨床試験については、試験終了後
  10か月以内にデータを公表せねばならない。和解後に承認される新
  製品については、上市後10か月以内に臨床試験データを公表せねば
  ならない。

  しかるべき医学雑誌に掲載を断られるか、あるいは掲載に合意が得
  られた研究結果は、8か月以内に公表しなければならない。

  GSK社がスポンサーでなくとも、重要な関与をした研究については、
  公表に努力しなければならない。

  GSK社は、製品の適応外使用について医師に伝えるときは、その適
  応外使用についての臨床試験での有効性・安全性データを正確に反
  映したものとせねばならない。

  2005年2月1日から10年間、GSK社は臨床試験の登録についての実務
  をきちんと行い、ホームページの目立った場所に公表せねばならな
  い。

  GSK社は、250万ドルという比較的軽い金額を解決金として支払う。
  
  スピッツァー・GSK社和解の透明性を高めるために、GSK社は和解内
  容を7つの著名な医学雑誌に公告せねばならない。このアレンジは
  2週間以内に行わねばならない。

  スピッツァー検事総長は、重い罰金を課すよりも製薬企業の実務を
  変化させることに関心がある。スピッツァー検事総長は、医薬品情
  報の開示の新たな標準になるとして、今回のGSK社の姿勢に歓迎を
  表明している。製薬企業側にとって都合がよい悪いにかかわらず公
  表することに合意した点で、GSK社は全製薬企業の鑑となるだろう
  と、スピッツァー事務所は語った。
                             (T)