注目情報

  1. ホーム
  2. 注目情報

MRの有害な影響を過小評価すべきでない

2014-01-09

(キーワード;MR、訪問頻度、処方の質、有害な影響)
 
 プレスクリール2013年9月号(※1)は、製薬企業とフランス保健省が、MR(医薬情報担当者)の訪問活動を倫理規定をつくって正当化しようとしていると批判している。

 同誌は、製薬企業の販売活動を担うMR(医薬情報担当者)の有害性について、長年にわたりMRの有害性のモニタリングや調査によって実証してきており、医師の処方の質に与える有害な影響は非常に強力であると指摘している。

 以下はその要約である。
--------------------------
 フランスのブルターニュ地方の179人の医師について2009-2010年に行われた調査は、製薬企業の医薬情報担当者の訪問が医師たちにどんな影響を与えるか、その具体的な例をよく示している。

 ブルターニュ地方の2,950人の家庭医のなかからランダムに抽出された医師への電話インタビューである。

 MRの訪問頻度のほか、継続的に教育を受ける習慣、読む医学雑誌のタイプ、製薬企業との関係などの情報が集められた。

 MRの訪問回数によって6段階のグループに分けられ、コストや処方薬数などを含む処方行動、処方薬の傾向などが分析された。

 その結果、MRの訪問が最も多い医師たちは、患者の診察時間が短く、1日あたり多くの患者を診察した。

 彼らは定期購読誌よりも、無料で提供される医学雑誌を多く読んでいた。

 また、アンジオテンシン脅容体拮抗薬(サルタン)、グリタゾンやグリプチン(DPP4阻害薬)、一定の抗生物質グループ(モキシフロキサシンやテリスロマイシンなど)をより多く処方した。

 これらの薬品は、もっと安全でコストも安い有用性の高い医薬品に替えて、MRによって販売促進されたものである。

 この研究はまた、MRの訪問回数が処方のコストと比例することを示した。

 よりよい患者ケアのために、MRの面会を拒否しようと結んでいる。
--------------------------
 MRの問題は、これまでも当会ホームページ注目情報でたびたび取り上げてきた(※2〜4)。

 わが国においては、プロパーからMR (医薬情報担当者)に名を変えて久しいが、医師とMRの関係はそれほど大きく変わっていないようだ。

 自力で探したとしても、製薬企業が関与していない文献を探すのは相当困難な状況であり、中立的な立場での医薬情報の価値はますます高まっている。

 MRからの情報のみに頼らない医療者側の意識改革とともに、MRの活動に対する規制、利益相反に対するより厳格な対応なども検討されるべきだろう。 (N)