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FDA生物統計部門でアクトスの広範な心血管リスクを示す別個の総合分析

2011-02-04

(キーワード: アクトス、心血管リスク、メタアナリシス、FDA安全性部門)

 米国では、抗炎症剤バイオックス(日本未販売)などの処方せん薬による安全性問題が社会の注目を集め、2007年9月安全性確保の強化のため、医薬品のライフサイクルの全期間を通じて安全性を監視し必要な施策を企業に求める権限をFDA(食品医薬品庁)に与えるFDA再生法が議会で可決された。FDAの安全性への取り組みも種々の改善が図られつつあるが、そうした過程のなかでFDA医薬品審査調査センター(CDER)の透明性も高まりつつある。
 糖尿病治療剤アクトスの類薬アバンディア(日本未販売)の心血管リスクが問題となり、2010年11月FDAは諮問委員会での検討を経てアバンデイアに厳しい販売規制を課した。この諮問委員会でプレゼンテーションされたFDA自身による総合分析(メタアナリシス、同じ目的の複数の臨床試験結果を総合評価する統計的手法)では、アクトスはうっ血性心不全を除いて心血管リスクが低かった。しかしFDA生物統計部門での検討ではアクトスも広範な心血管リスクを示す別の総合分析結果も存在したことをピンクシート誌2010年10月11日号が報道している。
 この記事全体はアバンディアのメタアナリシスに関するものだが、今回の注目情報ではこの記事でサイドバー(補足・側面記事)として扱われているアクトスに関連する箇所を紹介する。
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 興味深いことに、アクトスの心血管リスクに関する新たな総合分析結果がFDAの生物統計家たちの間で論議を呼んでいる。アバンディアの総合分析結果がFDAの新薬部門と安全性部門のリーダーたちの間で議論される一方、生物統計学オフィスの統計家の間で、アクトスが投与量に依存する心血管リスクをもつことを示唆する新たな総合分析結果が論議を呼んでいる。これは生物統計学ユニットのレビュアー・Qian Li氏が新たなアプローチで行った総合分析で、方法が7月の諮問委員会でプレゼンテーションされたFDAの統計家Bradley McEvoy氏によるものとは異なっている。McEvoy氏による総合分析は29の臨床試験についてのもので、アクトスはうっ血性心不全を除いてはいくつかの心血管エンドポイントで対照群と変わらないか、むしろ低い結果であった。しかし、Li氏の総合分析によれば、40の臨床試験のうち投与量依存性の情報を含む24試験について、虚血性心筋イベント・心筋梗塞・うっ血性心不全兇砲いて「明確な投与依存性をもった」リスクの増加傾向がみられた。6か月間以上の投与でアクトスの45mgは統計的に有意な2倍を超える虚血症のリスクを伴った。心筋梗塞リスクも45mgは2倍に近いリスク上昇がみられたが統計的に有意ではなかった。
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 アクトスについて当会議は、2000年10月に「アクトスの販売中止と回収」を求める要望書を厚生省(当時)と武田薬品に(※1)、また2000年12月には公開反論書「アクトスは糖尿病治療薬としては不適です」を武田薬品に提出している(※2)。   (T)