注目情報

  1. ホーム
  2. 注目情報

フランス行政監察庁は製薬企業に販売促進費の半減を求める

2008-01-21

(キーワード: IGAS、フランス行政監察庁、製薬企業、販売促進費削減)

 すでにこの注目情報の欄で取り上げたことであるが、フランスの消費者団体連合会は、製薬企業が医師に対して行う激しい販促活動攻勢のために、国の健康保険の巨額な無駄使いがあるとして、製薬企業を告発している(※1)。
  この事実を証明するかのような内容のフランス行政監察庁(IGAS)の年次レポートが提出された。IGASは、1967年に創設された組織で、2007年には保健省など8つの省庁の施策について監査を行っている。IGASの長は、毎年、大統領、議会、政府にパブリックレポートを提出する。
  今回のIGASレポートに関するスクリップ紙(2007.11.9)の記事を、以下に紹介する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
IGASはフランス製薬企業に警告を発した。医薬品の販売活動予算を半減することを要求したのである。IGASの報告では、製薬企業は年30億ユーロ(約5000億円)を販促費に費やし、その75%はMR(医薬情報担当者)が医師を訪問するために使われていると推定している。

IGASが考えるMRは、公共サービスに利するようなMRで、最良の治療法を広めるために医師と一緒に十分な時間をとることができ、フランス健康保険組合(CNAM)あるいは保健政策諮問機関(HAS)の担当者が、それにふさわしいとしている。

一方、これにかみついたフランス製薬工業協会(Leem)は、「IGASはMRの訪問を販促の面からのみ見ているが、MRの訪問は新規治療法の情報、リスクと有効性、適正使用など、これらすべてが医師にとって大きな価値があるものである」と反論している。

フランス消費者団体連合会は、2007年9月に、製薬企業のMRを通じての医薬品販売促進について、同様の非難をしている。同連合会は医薬品使用に必要な情報の普及のために、1700の独立したMRグループの創設を推奨している。 (ST)