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米国FDAがOTC消炎鎮痛剤に対しても安全対策の規制を強化

2005-05-31

米国FDAがOTC消炎鎮痛剤に対しても安全対策の規制を強化
 (キーワード: 米国FDA、OTC消炎鎮痛剤、心血管リスク、規制強化)

 米国FDA(食品医薬品局)は、2005年4月7日市販の非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)に対する新たな規制を発表しました(※1、※2、※3)。重篤な心血管リスクなどに対する安全対策で、医療用の選択的COX-2阻害剤ベクストラ(バルデコキシブ)の市場撤去などを求めたものですが、以下はOTC(処方せんを必要とせず一般販売される医薬品)の非ステロイド性抗炎症剤に関する部分の概略です。OTC販売が自由化されている米国の状況のもとで、より厳しいラベリング(表示)による注意喚起がなされます。

   最近得られたデータに基づき、FDAは重篤な心血管系有害副作用のリス
   ク増加は、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)に共通するもの(
   class effect)であると結論した。

   OTCの非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)を低用量で短期間用いる分には、
   リスク増加はない。FDAはこれらの製品が市場にとどまることを容認す
   るが、これらの製品の安全な使用に関し、消費者によりよい情報を提供
   するために、ラベリング(表示)の変更を要求する。
 
   FDAは、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェンを含有するすべ
   てのOTC製品のメーカーに、ラベリングが次の事項を含むように改訂を求
   める。
 
   * 起こる可能性のある心血管系および消化器系のリスクについてのより
    明細な情報
   * これらの製品を用いる前に、医師の助言を受けた方が良い患者につい
    ての指示
   * 医師から助言された場合を除き、製品の説明に記載された用量と服用
    期間を守るように、より強い注意喚起
   * 起こる可能性のあるSJS(スティブンス・ジョンソン症候群)などの皮
    膚反応についての警告

   今回のように処方薬の枠つきの警告が、OTC薬にも適用されるのは、FDAが
   始まって以来のことである。

   アスピリンは抗血小板作用により心血管イベントを減少させるエビデンス
   (科学的証拠)が確認されているので、今回の規制の対象にならない。

   皮膚反応については、FDAは最近イブプロフェンによるSJS(スティブンス・
   ジョンソン症候群)についてのCitizens petition(市民からの制度に則った
   要望書)を受理している。現在この内容について精査しており、精査後さら
   に詳細な指示を行う予定である。
                          (T)