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ドイツ政府が医薬品や治療の経済的評価を行う研究所(IQWiG)を設置

2005-05-31

ドイツ政府が医薬品や治療の経済的評価を行う研究所(IQWiG)を設置
(キーワード: ドイツ、医薬品や治療の経済的評価、保健サービスにおける質と効率の ための研究所(IQWiG))

 国が保健サービスにおける医薬品の質および治療の質と効率を高めるために経済的評価を行う研究所を設置して取り組んでいる例としては、英国の国立医薬品臨床評価研究所(
NICE、ナイス)がありますが、ドイツでも同様の研究所IQWiGが設置されました。

 スクリップ誌2005年4月15日号が、「ドイツの保健サービス評価機関は英国医薬品臨床評価研究所(NICE)よりも強力」の記事を掲載しています。以下はその概略です。

  「ドイツの治療の経済的評価を行う保健サービスにおける質と効率のための
  研究所(IQWiG)は、英国の医薬品臨床評価研究所(NICE)よりも強力なものに
  なるかもしれない」と、Cologne大学の保健経済・臨床疫学ディレクター・
  Kaul Lauterbach氏が語った。

  英国医薬品臨床評価研究所(NICE)とは違って、研究所の推奨は医薬品の参照
  価格* に反映されるからだと、Lauterbachディレクターは、先週フランス
  のChantillyで開催された世界保健ケア会議ヨーロッパの分科会で語った。

 *参照価格制: ドイツやスェーデンなどで導入されている医薬品
    の償還制度で、成分別または薬効群別に保険償還する価格の上
    限(参照価格)を設定し、この上限額を超える部分は全額自己負
    担とする。


  新研究所は、医薬品と医療技術の独立した、科学に基づいた評価と推奨を展
  開するーーその結果はある医薬品クラスに参照価格がつくかつかないかに反
  映される。評価のいくつかは、ドイツ連邦ヘルスケア委員会(GBA)によって
  仲介される。ドイツ連邦ヘルスケア委員会(GBA)はすでに新たな参照価格
  群を設定しており、その中にはスタチン類、プロトン・ポンプ阻害剤、サル
  タン類、トリプタン類のような特許のある医薬品も含めている実績がある。

  研究所は、実際の参照価格をユーロで設定する予定のドイツの260の疾病基金
  (Krankenkassen)の統合体である。研究所の最初の科学的評価は10月に予定さ
  れている。

  英国医薬品臨床評価研究所(NICE)とは違って、IQWiGは医薬品や治療の評価に
  2年もかからないと、Lauterbachディレクターは語った。彼は、2004年1月に
  発効したヘルスケア改革の草案作成に関与し、IQWiGの創立に導いた。彼はま
  た、ドイツの保健大臣Ulla Schmidt氏の助言者でもある。

 「英国医薬品臨床評価研究所(NICE)は官僚的すぎる。それぞれの段階を踏むのに
  時間が長くかかりすぎる」と彼はつけ加えた。スクリップ誌は、IQWiGが50の
  プロジェクトをこなすことをまもなく発表するものと理解している。

                              (T)

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