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クレストール特集(5) 英国MHRAが「用量40mgは重篤な少数の患者に対してのみ必要」とする処方勧告

2005-05-24

 国立医薬品食品衛生研究所が提供している医薬品安全性情報(Vol 2 No 12, 2004年6月24日)では、2004年6月9日に出された英国規制当局からのロスバスタチン(クレストール)に関する処方勧告が紹介されています。この勧告では「低用量から使用開始すること、増量は慎重に行うこと、40 mgの高用量は特に重篤な高コレステロール血症以外には使用しないこと」が求められています。
 アジア人では血中濃度が欧米人よりも高くなるということから、日本での用量は1日最大20mgまでとされています。しかし、日本人での安全性データはまだ十分に蓄積されておらず、アジア人では血中濃度が高くなるということを考慮すると、欧米での40 mgに関する危険性情報は日本人においても重要な意味を持つと考えられますので、ご紹介します。

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医薬品安全性情報Vol.2 No.12(2004/06/24)
【英 MHRA】
New prescribing advice for the 40mg dose of [ Crestor ](rosuvastatin)(2004/06/09)
[Crestor](rosuvastatin)の用量 40mg に対する新たな処方勧告

 AstraZeneca 社は,[ Crestor ](rosuvastatin)の最大用量 40mg の処方に関する新たな勧告のため,医療従事者にレターを発行した。[ Crestor ]はコレステロール値の高い患者の治療に使用される。
 この新たな 勧告は MHRA ( Medicines and Healthcare products Regulatory Agency ), CSM (Committee on Safety of Medicines)との協議を受けて発行し,市販後 1 年間における欧州全体の安全性情報のレビューに基づくものである。用量 40mg の使用は,治療の必要性が最も高く,筋肉の副作用のリスクのない患者を対象とすることを医療従事者に対して勧告している。
 勧告の要約は以下の通りである。
 ・すべての患者は rosuvastatin を 1 日 1 回 10mg から開始し,同用量で4 週間の
  トライアル後,必要と考えられる場合のみ 20mg まで増量すること。
 ・用量 40mg は筋毒性のリスクファクターのある患者においては禁忌である。
 ・用量 40mg を投与する際は(脂質,糖尿病または循環器関連の地域の診療所を通じ
  て),専門医による監視を推奨する。用量 40mg は心血管リスクの高い重篤な高コ
  レステロール血症の少数の患者に対してのみ必要となるはずである。
 用量 40mg を現在服用していて専門医による診察を受けていない患者は,次回の診察時に治療を再検討し,用量を減らすか専門医への照会を考慮すべきである。
 本日の勧告は,最低用量(10mg)での開始の重要性を医療従事者に喚起する AstraZeneca 社の先のレター(2004 年 5 月 14 日)に続くものである。すべての新薬と同様に,MHRA および CSM はCrestorの安全性に対し集中モニタリングを継続する。