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厚生労働省が有害副作用の患者からの直接報告を受け入れか?

2005-04-28

厚生労働省が有害副作用の患者からの直接報告を受け入れか?
  (キーワード: 有害副作用報告、患者からの直接報告、厚生労働省)

 医薬品の有害副作用報告制度に関して、米国FDAは早くから患者からの直接報告を受け入れています。英国も、患者からの直接報告を受け入れるようになりました(※1)。日本の厚生労働省は、これまで医療従事者からの報告しか公式に受け入れていません。今回、厚生労働省がこの方針を転換するのではとも見られる、注目すべき動きがありました

 2005年4月4日に電子政府のサイトで、すでに2年近くが経過している2003年8-10月に募集された「承認後の安全性情報の取扱い:緊急報告のための用語の定義と報告の基準(案)」のパブリックコメントの結果(「寄せられたご意見と当省の考え方について」 厚労省医薬食品局安全対策課)が公表されました(※2)。ここには、次のようなやりとりが記載されています。

    項目名 一般使用者からの報告

    ご意見の概要
     現在、自発報告の対象となる情報は医師、薬剤師等医薬関係者からの
     報告であり、一般使用者からの報告は対象外であるが、今後は一般使
     用者からの報告も自発報告の対象となるのか、確認したい。(他4件)

    当省の考え方
     一般使用者からの報告も自発報告の対象として取り扱う必要がありま
     す。

 一般使用者からの報告は、その有害事象を経験した本人からの切実さや具体性を持った報告として重要であり、医学的な裏づけは受け入れ後に検討すればいいことです。これは患者の医療への参加の観点からも重要なだけでなく、医療関係者が因果関係がないとして有害事象を報告しない際の受け皿としても重要です。今回「一般使用者からの報告も自発報告の対象として取り扱う必要があります」とした厚生労働省の見解は評価できます。一般使用者からの報告について具体的な受け入れ態勢の整備を求めていきましょう。
                              (T)