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フランス・プレスクリール誌がイレッサ(ゲフィチニブ)に厳しい評価

2004-10-21

フランス・プレスクリール誌がイレッサ(ゲフィチニブ)に厳しい評価
 (キーワード:プレスクリール誌、ゲフィチニブ、総合的な有用性評価、販売姿勢)

 フランスの医薬情報誌プレスクリール・インターナショナルがイレッサ(一般名ゲフィチニブ)を取り上げています(13巻、168-170ページおよび巻頭言162ページ、2004年10月発行)。同誌は、イレッサについて「より厳格な評価が必要」という総合評価を下しています。
 そして巻頭言「ゲフィチニブ: がん市場の破廉恥な開拓」では、「命を脅かす疾患の一つだからといって、きちっとしたデータを確認せず、治療になりそうなものが早々と市場化されてしまってもいいということにはならない」と、生存期間延長を確認することなく日本や米国などで販売承認されたことを批判するとともに、製薬会社の販売姿勢を厳しく批判しています。以下は本文の要約部分です。

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 ゲフィチニブ
 非小細胞肺がん:より厳格な評価が必要

 総合評価: 判定保留
 進行性の非小細胞肺がん患者に対する3次ライン治療として
 のゲフィチニブの評価は、あまりに欠点がありすぎて有効か
 有効でないかを示すことができない。1次ラインの使用では、
 ゲフィチニブが併用化学療法の効果に上乗せして効果を増加
 させることはない。有害副作用が数多くあり、時に重篤であ
 る(とくに間質性肺炎)。この他の投与計画を評価するべきで
 ある。

 進行性の非小細胞肺がん(進行度-)を治療するには、一般
 に白金製剤に基づく化学療法が用いられているが、生存期間
 におよぼす影響はごくわずかにすぎない。基準といえるよう
 な治療は存在しない。

 ゲフィチニブはフランスでは暫定的な承認を有し、指定され
 た患者のみで使われているが、日本、米国などではすでに全
 面的な販売承認を得ている。

 少なくとも2つのラインの化学療法では成功することがなか
 った患者を対象にして、経口ゲフィチニブ単独療法の2つの
 用量(250mg/日と500mg/日)を比較する、2件の至適用量を見
 出す二重遮蔽による研究が行われている。その結果は、生存
 期間の中央値が6か月、 一部の患者で症状の改善がみられる、
 という都合のいいものであったが、プラセボ群の欠如や大き
 なプロトコール違反があるため、いずれの研究結果も台無し
 である。

 それぞれ1000人以上の患者を対象とした2件の二重遮蔽試験
 が示したように、ゲフィチニブは1次ラインの白金製剤併用
 の効果を増加させない。
  
 臨床試験でゲフィチニブ単独療法を受けた患者のうち、約15
 %が有害事象のため治療を受けることを中止している。頻度
 が最も高かったのは、消化器(下痢、悪心、嘔吐)および皮膚
 (発疹、座瘡、ドライスキン、掻痒)であった。

 患者の約1%に間質性肺炎が起こっており、この症例の約3
 分の1は致命的なものであった。

 ゲフィチニブは、チトクロームP450のアイソザイムCYP3A4に
 よって代謝される。したがって、相互作用の高リスクの可能
 性をかかえ込んでいる。

 実際問題として、この新薬が非小細胞肺がん患者にとって有
 益かどうかを決定するには、ゲフィチニブのいっそう徹底的
 な評価が必要とされる。販売の承認は現時点では正当化され
 ない。
                        (T)

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