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プレスクリール誌が「患者ケアの改善のため避けるべき医薬品リスト2015年版」を発表

2015-08-10

(キーワード: フランス、プレスクリール誌、避けるべき医薬品リスト2015)

 1981年に創刊されたフランスの独立医薬品情報誌レビュー・プレスクリールは、多くのスタッフを擁し、独自に医薬品の評価を精力的に行っている。
 他から資金援助を受けず、費用は購読者に依存している。
 同誌の発行部数は33,500部(2013年)で、フランス全体の医療専門家の2〜3割が購読していると言われており、その医薬品評価には定評がある。

 同誌は2015年2月、英語版のウェブサイトに「患者ケアの改善のため避けるべき医薬品リスト」の2015年版を発表した(※1)。以下はその要旨である。
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 効果と害作用のバランスが好ましくない多くの医薬品が市場に出ている現状がある。われわれは、害作用のリスクを最小にする「質の高い治療」を医療専門家と患者が選択するのを援助するために、「使用を避け他の選択肢に置き換えるべき医薬品のリスト」(2015年版)を更新した。われわれは2010年から2014年に渡ってフランスの市場にある医薬品について、もたらす便益より危険の方が大きいもの71製品をリストアップした。

 これらの医薬品は、

 1) もたらす効果に釣り合わない害作用があるもの、
 2) 優れた便益・害バランスをもつ新薬が出てきて有用性がなくなったもの、
 3) 既存の薬剤・治療と比較して好ましくない便益・害バランスをもつ新薬、
 4) 効果が定かでないのに重篤な害作用をもつもの、

を含んでいる。

 医薬品評価の方法は系統的で再現性のある文献検索である。
 得られたデータは確立された手順により編集チームによって分析された。
 分析の目標は質の良いケアの選択を促進することであり、なかでも患者に害を与えないことが重視された。

 医療専門家は、これらを使用薬剤リストから外すだけでなく、受容できる便益・害バランスを有する治療の促進に積極的に関わるべきだ。
 ここでリストした医薬品は便益よりも危険が大きく、遅れることなく市場から除去すべきである。

[引用者注] リストには分野別に計71の医薬品が、一般名でリストした理由とともに挙げられている。これらの医薬品には、日本でも広く使用され問題点も指摘されている次の3医薬品が含まれている。プレスクリール誌があげた医薬品全体については※1の一番下にある文献を参照いただきたい。

・オルメサルタン(オルメテック®)
 このクラスの他の医薬品よりも害作用が多い降圧剤(アンジオテンシン脅容体拮抗剤、サルタン)。他の同系統薬サルタンより効果がすぐれるところはなく、慢性下痢を伴う腸の重篤な炎症、体重減少を引き起こし、心血管イベントでの死亡をもたらす可能性がある。これらの害作用を有さないとみられるロサルタン(ニューロタン®など)のような他のサルタンを選ぶのが賢明である。

・タクロリムス局所剤(プロトピック®軟膏など)
 アトピー性湿疹に用いられる免疫抑制剤。皮膚がんとリンパ腫のリスクを増加させる。効果は局所副腎皮質ステロイド剤とほとんど変わらない。悪化の治療には局所ステロイド剤を用いるのが賢明である。

・ドネペジル(アリセプト®錠など)
 アルツハイマー病に用いられるコリンエステラーゼ阻害剤。効果はわずかで一時的にすぎない。効果に不釣り合いな命を脅かす副作用があり、他の医薬品との相互作用も多く重篤なものがある。
 重篤な嘔吐を含む胃腸障害、精神神経障害、徐脈、倦怠感、失神を含む心臓性障害、心伝導障害を起こす。患者の日常生活を改善し、活動性をもたせ、介護する身内の人に対するサポートと援助に焦点を当てる方が良い。
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 安全性の観点から、また限られた資源(保険薬剤)の効率的利用の観点から、日本でも企業から独立した客観的な医薬品情報の一層の普及が望まれる。(T)