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医薬品開発失敗についての情報開示はレギュラトリーサイエンス(適正規制科学)の進歩に貢献

2011-09-27

(キーワード: 情報開示、FDA、医薬品開発失敗、レギュラトリーサイエンス)

 米国食品医薬品庁(FDA)のマーガレット・ハンバーグ長官は、2009年6月にFDAの「透明性改善策」(Transparency Initiative)を打ち出し、具体的内容については内部に専門委員会(Task Force)を設置し検討を進めてきた。

 専門委員会の第2次提言(2010年5月)では、企業が従来、機密としていた事項の公開も提言されており、これに対して企業側は懸念を示している。特に、新薬承認などの承認申請に関する情報公開の項で、承認されなかった場合にも“FDAから申請者への返信”内容を公開することについて等である(※1)。

 ピンクシート誌2011年4月11日号が、「医薬品開発の失敗の情報公開はレギュラトリーサイエンス(適正規制科学)の発展を助ける、とFDAのハンバーグ長官が言明」の報道を掲載しているので、要旨を紹介する。
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 FDAは、データの共有を進めることと医薬品の開発失敗についての情報公開について、なぜそうするかをレギュラトリーサイエンス(適正規制科学)を強める名のもとに説明している。

 2011年4月5日の食品医薬品法研究所(FDLI)の年会でのスピーチで、長官はなぜその医薬品が承認を得られなかったかの理由を情報公開することは医薬品開発とレギュラトリーサイエンスの科学的なサポートを強化させると語った。長官は自身が2009年5月にFDA長官に就任以来とってきた主要な先導的行為(key initiative )は、.譽ュラトリーサイエンスの強化と、行政庁がとるアクション の透明性の強化であると述べた。

 データの共有と情報公開を進めることが医薬品の開発プロセスを促進させるというのがFDAのスタンスである。しかし,これは企業秘密を守ろうとする製薬企業の立場から確実に反発される。

 ハンバーグ長官のスピーチは、新たな画期的な医薬品・医療機器の供給を助ける技術革新と「我々のユニークな位置を利用する」上でのFDAの責任をテーマとしたものであった。

 「FDAにおいて、われわれはかつて申請され承認されたあらゆる医薬品・医療機器のデータを持っている。この知識を効果的に医薬品をデザインし、失敗を予測することに用いねばならない。これらはFDAのみならず製薬企業にとっても重要なことである。企業秘密に妥協するわけにはいかない」とハンバーグ長官は言う。
                                 
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 国民の健康と生命を守る「公衆衛生」の優先か、「企業秘密」の保護か、の根本問題が問われている。公衆衛生の優先を第一義とする米国FDAにわれわれが学ぶべきものは多い。(T)

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