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「欧州医薬品庁(EMA)と協同する患者・消費者団体は製薬企業から受ける資金を公開するよう規制強化」をHAIが要求

2010-11-02

(キーワード:患者団体、患者・消費者団体、製薬企業、医療政策、利益相反)

 医療政策に患者・消費者団体の意見が反映されるようになってきてるいが、行政がそれらの団体を選ぶ規準はなんであろうか。欧州医薬品庁(EMA)は2005年に患者・消費者団体がEMAの活動に参加する場合の規準(資格)を示した(以下、2005-ガイドライン 訳注1))※1。 医薬品,医療分野で実績のある国際的NGOのHAI(訳注2)は、EMAから参加を要請されている患者・消費者団体がこの規準を満たしているか否か調査を行ったが、その結果について英国医学会誌がNEWSで取り上げている(2010年8月16日号 ※2)。
  HAIは2006年-2008年にEMAと協同する資格のある23団体について資金とその公開状況を調べた※3)。7団体は製薬企業およびその関連団体から資金を受けていなかった。1団体は資金情報が入手不能。15団体が資金提供をうけていたが、そのうちガイドラインの規準(収入源を明らかにし,予算との対応を明確にする)を満たしていたのは、わずか6団体であった。この6団体では予算の75%を超えていた。
 HAIの報告者の一人であるKatorina Perehoff氏は、“患者・消費者団体は政策決定に非常に大きな仕事をしている。それゆえ、利益相反を評価するためには団体を動かす資金の支援について知る必要がある。ガイドラインを強化すると共に、遵守しない場合の対策が必要だ”と述べた。

 日本ではまだこのような規準はないようであり、早急に検討すべき状況である。(ST)
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訳注1)「Criteria to be fulfilled by Patients’ and consumers’ Organization involved in EMEA Activities」(患者・消費者団体がEMEAの活動に参加する場合の規準:2005年2月7日付) (※1)(欧州医薬品庁(European Medical Agency)の略名は、現在はEMEAからEMAに変更されている)
“満たすべき基準”の7番目は『透明性』で、以下のように書かれている。
“一般則として、団体は、定期刊行やwebsite,活動報告書などによって、できるかぎり透明性がなければならない。活動資金が個人や公的な寄付を受けている場合に、寄付者あるいは団体の名称と、予算に占める寄付の割合を公表すること。企業の後援はどのような形であれ、明らかにしていなければならない。どのような利益相反もEMEAに公開しなければならない。”訳注2)Health ActionI nternational: 医薬品、

訳注2)Health Action Intermationnal