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米国製薬協が開発中止薬剤の臨床試験結果公開へ行動規範を改訂

2009-06-23

(キーワード:臨床試験登録制度、米国製薬協、開発中止薬剤、臨床試験結果の公表)

 臨床試験登録制度に関しては、当会議の注目情報でもこれまでたびたび取り上げており、(※1,※2、※3、※4)、2005年3月には臨床試験登録制度の創設と臨床試験データの公表を求める要望書を厚生労働省と日本製薬工業協会に提出している(※5)。 出版バイアスの問題を解決するためには、ヒトを対象とした全ての臨床研究(試験)を登録制にし、期待した結果が得られたかどうかに関わらず公表することを義務づけることが必要である。世界保健機関(WHO)と医学雑誌編集者国際委員会(ICMJE)は全ての臨床試験の登録を求めている。しかし、2007年9月に成立したFDA再生法(FDAAA)では、臨床試験の登録と結果の公表が義務づけられているものの、同法の適応範囲は承認された薬剤の臨床試験であり、しかも第1相臨床試験は除外されている。開発中止薬剤については登録された臨床試験であっても、承認されなければ公表する義務はなく、第1相臨床試験については登録の義務もない。これは、FDAと企業が妥協した結果とも考えられ、当会議としてもFDA改革の残された課題と考えてきた。
 ところが、2009年4月に大手製薬企業を代表する米国製薬協(PhRMA)が、自主的行動規範を改定し、今後、第1相臨床試験を含む開発中止薬剤の臨床試験結果を公表する方針を示した。この行動規範には拘束力はなく、あくまでも加盟企業の自主的な判断に委ねられることから、今後の動向を注視する必要はあるが、臨床試験情報の透明性を高める動きとして注目したい。以下はスクリップ誌電子版(2009年4月22日)の報道記事の要約である。
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 2009年10月1日から米国製薬協の加盟企業は、開発中止薬剤の臨床試験結果をウェブサイト上に公開することで、医学研究の透明性を高める。
 この動きは、米国製薬協の自発的な行動規範である「臨床試験の実施原則と臨床試験結果の伝達」の改訂として示されている。しかし、この行動規範は拘束力を持たない。
 これまでも米国製薬協加盟企業は、販売承認された医薬品の比較対照臨床試験の結果を公共のウエブサイトに情報公開してきたが、最近、さらにいっそうの結果の発表を求められていた。ファイザーなどのいくつかの会社は、すでに、開発中止薬剤の臨床試験結果を公表してきている。
 全ての米国製薬協加盟企業は、FDA再生法が政府の臨床試験登録データベースに、第義蠅鮟く臨床試験の登録と結果の発表を要求していることから、臨床試験のより多くのデータを明らかにすることに慣れてきた。米国製薬協はFDA再生法の要件が適用されない第1相臨床試験を含む試験結果を、公的に入手可能なウェブサイト(政府または製薬協のサイト)に発表できることに言及した。加盟企業グループの透明度の増大の一部として、医療を必要としている患者が適切な臨床試験に参加するのを援助するためであれば、早期の第1相臨床試験の登録を喜んでする加盟企業がいるとも付け加えた。
 「一般的に製薬会社は承認された製品の臨床試験結果を政府のデータベースに承認後30日以内または臨床試験終了後12ヶ月以内に登録する。これらの原則は適切な標準であり、開発中止剤の臨床試験結果についても、中止後1年以内に公表する」と米国製薬協は論述した。 (G.M)