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英国医薬品庁(MHRA)が鼻水や鼻づまり用薬、咳止めなどの成分を含むかぜ薬を6才未満の小児に使わないようアドバイス

2009-05-14

(キーワード:6才未満、かぜ薬、証拠がない、親・保護者への助言)

 英国MHRAは、2009年2月28日、親や保護者に向けて、小児用一般薬の咳止め・かぜ薬を6才未満の小児に使用すべきでないとアドバイスを行った。英国では、これまで一般用医薬品の小児用咳止め・かぜ薬の再評価を行ってきており、医薬品委員会(CHM)は12歳未満の小児における、咳止め・かぜ薬を安全使用の向上のため、一連の措置を講じるよう助言してきた。2008年3月には2才未満の使用量を削除するというラベル改訂を行ったが、今回の新しいアドバイスは6才未満の子どもには使うべきでないというものである(註1)。以下要約を紹介する。

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 親や保護者は、今後、一般薬の咳止め・かぜ薬を6才未満の子どもに使用すべきではない。これらの薬には、効果があるという証拠がなく、まれではあるがアレルギー反応や、睡眠への影響あるいは幻覚といった副作用を起こす可能性がある。
 6〜12才の子どもは、以下の理由で6才未満の子どもに比べれば問題が少ないと考えられる。詳細な調査結果が出るまでは使用可能であるが、決して決められた用量を超えて使用してはいけない。その理由は、体重が重いため、薬が過量となる危険がより小さいこと、成長に伴いかぜをひく頻度が低くなるため、薬を服用する機会も少なくなること。かぜの多くは自然治癒するのに対して、薬を服用して何らかの効果があるのかどうかを大人に対して伝えることもできるため、漫然と使用することを避けることができるためである。
 現在、企業が製品の包装とリーフレットに今回の助言を明確に記載する作業を行っているが、新しい製品が出るまでは、用法指示を守って慎重に扱い、絶対に最大用量を超えて与えてはいけない。

〔親・保護者への助言〕
*家庭の戸棚にある薬はどうしたらよい?
 →もはや必要のないものか、6才未満の子どもに適さない薬かどうか調べよう。
*たった今飲ませてしまったとしたら、心配すべき?
 →ラベル記載の指示通りなら心配しなくてもよいが、もしも心配なら保健医療の専門家に相談するのがよいだろう。たとえばNHSに電話しよう。手元にある薬は、今後必要かどうかを調べ、不要なものは薬局に持っていき処分してもらおう。
*では、子どもがかぜをひいた時の対処は?
 →咳やかぜの症状は自己防衛反応であり、ふつうは自然に治癒する。これらの症状を和らげるには、たっぷりの水分と、十分な休息が助けになるだろう。5日たってもよくならない時は、専門家に相談しよう。
*イブプロフェンやアセトアミノフェンは与えて大丈夫?
 →これらの成分を含む薬を他に何も飲んでいなければ、ラベルの指示どおり使うことができる。

 親・保護者は、子どものかぜ症状緩和のために英国保健省の2007年版ガイダンス'Birth to Five’の助言(※1)に従うべきである。

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〔子どもに害があるとされた咳止め・風邪薬〜以下の成分を含む内服薬・点鼻薬〕
鼻炎用うっ血除去薬 
 プソイドエフェドリン
 エフェドリン、オキシメタゾリン(医療用のみ)
 キシロメタゾリン(国内未承認)
抗ヒスタミン薬   
 ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、トリプロリジン
 プロメタジン(医療用のみ)
 ブロムフェニラミン、ドキシラミン(国内未承認)
鎮咳剤       
 デキストロメトルファン
 フォルコジン(国内未承認)
去痰薬       
 グアイフェネシン
 イペカクアナ(国内未承認)

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 日本で販売されていないもの、医療用でしか認められていないものもあるが、国内で市販されている総合感冒薬や咳止め・鼻炎用薬の大半が、これらのいずれかの成分を含んでいる。医薬品委員会は、12才未満の小児におけるすべての有効な試験結果について再評価を行っている。そして効果が証明できない理由は、かぜの症状が自己防衛反応であり、多くは自然治癒するものだからと述べている。我が国の一般用医薬品は、改正薬事法によってリスクの程度に応じて1〜3類に分類されたが、有用かどうかの再評価は一切されないまま販売され続けている。再評価への着手をぜひ望みたい。  (N)



註1 パブリックシチズンはFDAに対し、「12才以下で安全性と有効性を示すデータが出せないなら、12才以下のかぜ薬を市場から撤去すべきだ」と規制権限の発揮を迫っている(※2)。

文献
Children's over-the-counter cough and cold medicines: New advice
http://www.mhra.gov.uk/Safetyinformation/Safetywarningsalertsandrecalls/Safetywarningsandmessagesformedicines/CON038908