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ファイザー社が米国内の医師などへの支払いを開示、情報公開での日本の遅れが鮮明に

2009-03-27

(キーワード: ファイザー社、医師への支払い、情報公開)

 2008年12月の注目情報(※1)で、リリー社が率先して2009年度後半期から米国医師への顧問料・講演料の支払いを開示し、2011年までには開示の範囲を旅費、贈り物、臨床試験費用などに拡大すると発表したことを紹介した。また、併せてメルク社がこれに続き、医師への講演料、医学教育への寄付、医学・科学・患者団体への寄付を順次公開すると発表したことを紹介した。
 製薬会社の医師もてなし情報公開法(サンシャイン法)は、今年2009年には成立する見込みとの報道があるものの、まだ成立していないが、2009年2月9日、今度は世界最大の製薬企業ファイザー社が、米国の医師などへの支払いを情報公開するとプレスリリース(※2)したので、要旨を紹介する。
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 ファイザー社は、顧問料、講演料、臨床試験に関する米国内の医療従事者への支払いを情報公開することを、ここに公に発表する。公開の範囲は、実地医家などの医療従事者、臨床試験の主要な研究者と主な施設を含んだものとなる。今回の決定により、ファイザー社は、講演料・顧問料に加えて、第1相から第4相臨床試験への支払いを開示する最初の製薬企業となる。開発段階と製品教育段階の両方の支払いを明確に含む点でも最初である。
 2008年に、ファイザー社は280以上の研究の推進のために約8000人の臨床研究者と共同してきた。情報公開は、2009年7月以降の支払いについて、2010年の早い時期に行いたい。
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 世界最大の製薬企業によるものであり、米国内外のマスメディアが直ちに大きく報道した。ロイター通信の例を示す(※3)。ロイターの報道は、情報公開は医学雑誌への論文発表の協力者も含むものとしていく必要があると述べている。
 しかし日本では、医師などへの支払いを製薬企業が公開する動きは全くなく、今回のファイザー本社のプレスリリースについても、同じファイザー社であるファイザー日本法人はそのホームページ(※4)で全く伝えていない。
 グローバル化と情報公開の流れのなかで、日本のこの現状は非常に遅れており、改善への取り組みが急がれる。   (T)