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米議会がケテックの教訓からビジネス化を強めるCROとIRBの法的規制を模索

2008-04-22

(キーワード:  CRO(臨床試験受託機関)、IRB(試験審査委員会)、ビジネス化、法的規制検討、米国議会)

 2008年2月の注目情報で、米国で臨床試験のビジネス化が進む中で、臨床試験の信頼性が大きく揺らいでいる状況を紹介した(※1)。このことに議会はどのように対処しようとしているかに関連する、FDCレポート・ピンクシート誌2008年2月18日号記事の要旨を紹介する。
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ケテック臨床試験でKirkman-Campbell医師が試験データを偽造し、4年以上の禁固の判決を言い渡されたが、そのデータがFDAに提出されケテックの販売承認データとなった事件(※2)で、米国議会(下院エネルギー通商委員会)がCRO(臨床試験受託機関)、IRB(試験審査委員会)、スポンサー企業(アベンティス)は虚偽の事実を知っていたのでないかと追及している。
 議会はケテックでの臨床試験の信頼性を揺るがす事件を、当初は臨床試験を行う製薬企業などに対するFDAの監督が行き届かない観点から問題にした。これに対しFDAの関係者は、虚偽があったとしても実際的にチェックしきれないと認めた証言をした。このことから、FDAの監督体制の問題にとどまらず臨床試験を行う骨組み全般の問題に広がり、CRO、IRBがビジネス化していることに注意が向けられた。議会は、臨床試験が今や公的なセクター(分野)のものというより「ビッグビジネス」となり、そこでの自主規制に委ねられていることを問題にし、規制の枠を法的に強めるよう模索している。 (T)