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米国医科大学・研修病院と製薬企業との金銭的関係は広く存在(調査データ)

2007-12-14

(キーワード: 産学連携、医学界、製薬企業、実態調査データ、米国)

 医科大学・研修病院と製薬企業との産学連携が一層進展しているとは、誰もが想像するが、このような関係がどの程度進展しているかの実態調査結果はなかった。米国マサチューセッツ総合病院およびハーバード大学医学部医療政策研究所(ボストン)のEric
Campbell氏らが、このほど行った実態調査の結果がJAMA2007年10月17日号に掲載されている。以下はその要旨である。
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 全米125医科大学と15の規模の大きい研修病院の部門長を対象に調査した。これらの施設と製薬企業の金銭的関係は医師教育などに利益相反をもたらす可能性があるが、これらの関係の管理に関する研究は多くない。今回実態について全米的な調査を行った。
 調査は2006年2月から2006年10月に実施した。臨床部門は、医師教育に対する企業資金の受け入れが多いとみられる内科、精神科を調査した。非臨床部門は、微生物学と他の1分野を調査した。
 その結果、部門長688人のうち459人から回答が得られ、回答率は67%であった。
 回答した部門長の60%が、企業と個人的な金銭的関係を有していた。その内容は、コンサルタント(27%)、学術諮問委員会メンバー(27%)、謝礼がある講演者(14%)、企業役員・幹部(7%)、企業創設者(9%)、企業重役会メンバー(11%)などであった。
 管理単位の部門の約3分の2(67%)が、企業と金銭的関係を有していた。臨床部門 では80%、非臨床部門では43%が、企業と金銭的関係を有していた。臨床部門は企業との金銭的関係の比率が高く、様々な資金援助を受けており、非臨床部門は知的所有権のライセンス収入がその主なものであった。持続的医師教育のコストの3分の2は、企業が支払っていた。部門長の3分の2以上が、企業からの金銭的収入が彼らの専門的活動に影響することはないと回答した。
 このように金銭的関係は一般的であり、積極的な情報公開と利益相反の管理が求められる。  (T)

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