調査・検討対象

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薬害肝炎事件の検証・再発防止のための行政改革

1 薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政改革のあり方検討委員会

「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政改革のあり方検討委員会」は、薬害肝炎訴訟の全国原告団、全国弁護団と厚生労働大臣との合意に基づいて、2008年5月に設置された厚生労働省の検討会である。
〔害肝炎事件の検証と、∈独防止のための医薬品行政のあり方の検討を行い薬事行政改革のための提言を行う目的で設置された。
委員には、薬害肝炎から2名の他に、HIV2名、サリドマイド1名の薬害被害者が参加している他、薬害オンブズパースン会議の事務局長が参加している。

2 取り上げた経緯・問題点

日本では、サリドマイド、スモン、薬害ヤコブ、薬害エイズなど薬害事件が繰り返され、集団訴訟が提起されてきた。これらの薬害訴訟は、賠償金の獲得だけではなく、政府の責任を明確にし、恒久対策、真相の究明と再発防止策を実現させることを目的として提起され、日本の薬事行政システムは、薬害訴訟のたびに少しずつ改革されてきた。
しかし、厚生労働省が、事件の検証と再発防止策の提言のために諮問委員会を設置したのは初めてである。これにより訴訟の争点に限定されない検討、NGOの意見の反映などが可能になった。薬害集団訴訟の「公共政策形成機能」の新たな展開である。
そこで、薬事行政の抜本的な改革を実現するための重要な機会を生かし、当会議の薬害防止活動の成果を委員会の提言に反映させることが必要であると考えた。

3 行動指針

この検討会の重要性を広くアピールすること、また、これまでの活動の成果を生かして委員会に意見を出し、第三者の監視組織の創設など重点項目を明確にして、委員会の提言の内容に反映させていくこと、また提言が公表された後は、その実現を求めていくことを方針とした。

4 具体的な行動と結果

当会議は、2008年12月、「医薬品の行政改革を考える」と題して薬害肝炎検証委員会で取り組むべき課題について討議するためのシンポジウムを開催し、2009年2月には、40頁に及ぶ当会議の意見書を作成し、厚生労働省に提出した。
また、当会議事務局長が日弁連推薦で委員として参加し、約30本を超える意見書を進行に応じて提出したが、意見書は当会議の活動の成果を反映したものである。
薬害肝炎検証委員会は、2008年5月から2010年4月まで全23回開催され、2008年7月に中間報告、2009年3月に第一次提言、2010年4月に最終提言を公表したが、その内容には、当会議の意見が多く反映されている。
予防原則を明確に打ち出したことや、第三者監視組織の創設、企業資金に依存しない臨床試験を実現するための公的基金の創設、審査の問題意識を引き継ぎ薬剤疫学的手法を取り入れた市販後安全対策の実施、患者からの副作用報告制度を含めたリスクコミュニケーションの強化などがその一例である。

5 今後の課題

提言を実現させることが重要である。
提言の具体化のために、既に検討会や厚生科学研究班が発足しているものについては、その内容を不断に監視して、適切な意見を述べていくことが必要である。現に、レセプトデータベースをめぐって、厚生労働省に設置された検討会において、提言の趣旨に反するとりまとめが行われようとしたことがあった。これに対し、当会議は2010年7月、「電子化された医療情報データベースの活用による医薬品等の安全・安心に関する提言(案)(日本のセンチネル・プロジェクト)」に関するパブリックコメント募集に対し、意見書を提出した。
具体化のための取組が行われていない課題については、具体的な取組をもとめることが必要である。
特に提言の実現の監視の役割も期待できる第三者監視組織の創設は最優先課題である。厚労大臣は提言の実現を確約しているが、適切な内容のものとなるよう、引き続き監視し具体化を求めていきたい。