調査・検討対象

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水道水フッ素化

1 水道水フッ素化とは

上水道の飲料水にフッ化物を添加し、フッ素濃度を0.8ppmまでとすることによって、むし歯の予防を図るとする公共政策。

2 取り上げた経緯

1999年11月に日本歯科医学会による「フツ化物応用の総合的見解]が出され、2000年末には、厚生省の「上水道を管理する地方自治体がフツ化物添加を決定すれば、技術支援をする」という方針が新聞報道されるなど、水道水フッ素化推進の動きが活発化した。
そのような状況の中で、長年、虫歯予防へのフッ化物応用に反対する運動を行ってきた高橋胱正医師(元東京大学医学部講師)から当会議に対し問題提起があり、検討に入った。

3 何が問題か

  1. (1) 医学的問題
    水道水へのフッ素添加は、危険性が相当な程度で予測され、危険性を上回る有益性はない。
    1. ① 危険性
      1. a 斑状歯の増加
        日本においては、フッ素を水道水に添加して虫歯を1〜2本減らそうとすると、美容上問題になる程度の斑状歯を持つ子が1人出現する可能性がある。
      2. b 子供の骨肉腫や大人の癌の増加
        20歳未満の男性の骨肉腫を増加させる可能性と、男女とも口腔咽頭癌を増加させる可能性はほぼ確実であると考えられる。また、さらには他の部位、とくに大腸直腸癌や肺気管支癌、腎癌についても、増加させる可能性が高いと考えておいた方がよい。
      3. c 若い母親から生まれるダウン症候群児の増加
        フッ素がほぼ確実な変異原物質であり、染色体異常誘発物質であることを考慮すれば、むしろダウン症や奇形、出生異常の可能性も考慮しておく必要がある。
      4. d 死亡率への影響
        疫学調査では、増加させる可能性は否定しえない。危険性が相当な程度で予測される。
      5. e 骨への影響
        骨密度の増加はみられるものの、骨痛の増加(2年以降)、胃腸障害の増加(4年以降)が認められ、骨折はむしろ反対に増加し(4年以降)、総合的に判断すると有害な作用しかない。
    2. ② 有益性
      近年の虫歯減少により、フッ素添加が虫歯減少に貢献する割合(有益性)は著しく減少している。
  2. (2) 法律的問題
    1. ① 危険性が相当な程度で予測され、危険性を上回る有益性はないから、これを公共政策として実施することは国際人権(社会権)規約と憲法が保障する健康権を侵害する。
    2. ② 憲法13粂は、個人が人格的な自律性を維持すること、個人的領域について公権力の侵入を許さない権利(自己決定権)を保障している。虫歯の害はその個人だけにとどまり他人に危害を及ぼす性質のものではないから強制になじまない。健康維持増進は強制よりも個人の自発的意思による方が効果的である。したがって、水道水フッ素添加政策は、目的において正当性がなく、手段においても必要最小限の規制といえないから、憲法13条に違反する。
    3. ③ 水道法および水質基準に関する省令は、水道水利用のために天然水に含まれる化学物質の含有量の上限を示したもので、フッ素添加の根拠規定と解することはできない。

4 当会議の行動等

当会議は、2001年、医薬品・治療研究会およびEBMビジランス研究所に調査を委託した。
その調査報告が「う歯予防を目的としたフッ声の有効性と危険性に関する文献的調査研究報告書」である。これは、世界でこれまでに実施された疫学的な調査研究文献を収集し、研究方法のエビデンスレベルを評価した上で、データを分析し、目本の自然の状態で摂取するフッ素量と、水道水や他の手段により添加された場合に摂取する量の合計から予測されるフッ素添加の、有益性と危険性のバランスを検討したものである。
当会議は、この報告書の有効性と危険性のバランスの検討に、法的観点からの検討を加味し、2002年5月9目、「水道水へのフッ素添加についての意見書」を厚生労働省へ提出した。その要旨は、「水道水へのフッ声添加は、危険性が相当な程度で予測され、危険性を上回る有益性はない。健康権、個人の自己決定権などを侵害する。したがって、水道水へのフッ声添加は行うべきではない」というものである。
当会議の意見書に対し、「厚生科学研究歯科疾患の予防技術・治療評価に関するフッ化物応用の総合的研究班」と「日本口腔衛生学会」は、2002年7月25日、「薬害オンブズパースン会議意見書に開する解説」と題する文書を発表して反論した。
当会議は、2002年11月4目、「水進水へのフッ素添加問題」のテーマで公開会議を開催。

5 その後の情勢

その後、日本の各地で水道水フッ素化の動きが起こった。それらの地域にはフッ素応用に賛成する歯科医がおり、それを口腔衛生学会のフッ素応用を推進する学者らが支援する形で、各自治体に働きかけを行った。2007年10月の段階で、住民や議員による反対運動が起き、14自治体で水道水フッ素化計画がとん挫し、現在まで実施された自治体は一つもない。特に、沖縄県久米島町では一旦、議会がフッ素化実施を決定したものの、その後の合併で、その議決が支持されず(2002年5月)、未実施となっている。最近では群馬県下仁田町でフッ素化が議会で提案され、飲料水フッ素化装置が役場に設置され、町民が試飲できるようにまで準備されたが、現在、継続審議となり、実施には至っていない。また2007年5月に飲料水のフッ素濃度基準の安全性について米国のNRCがレポートを発行し、前回の1993年のレポートよりフッ素の有害性について厳しい報告を出し、CDCは米国の約4割の子どもに軽度以上の斑状歯が発生しているとの報告を出し、米国における水道水フッ素化への反対運動が活発化している。

トピックス

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2002-11-04
タイアップ5周年総会&薬害オンブズパースン公開会議
2002-05-09
「水道水へのフッ素添加についての意見書」提出