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イレッサの臨床試験で延命効果証明されず

2004-12-23

抗がん剤イレッサの製造元であるアストラゼネカ社は、12月17日、世界28カ国で合計1692人を対象に行われた大規模比較臨床試験(ISEL試験)で、イレッサの延命効果は認められなかったとする初回解析結果を発表しました。

この試験は、治療抵抗性の非小細胞肺がん患者の生存期間を、イレッサを投与した群(グループ)とプラセボ(偽薬)を投与した群との間で比較したもので、イレッサ投与群とプラセボ投与群との間に生存期間に有意の差は認められませんでした。

イレッサについては、既に、従来の標準的抗がん剤とイレッサを併用投与した場合の効果について、標準的抗がん剤のみの場合と比較して延命効果は認められないとする大規模臨床試験結果(INTACT1,2)が出ていましたが、今回の試験により単独投与でも延命効果が否定されました。

この結果を受けて、同日、米国FDAが声明を発表しました。
声明では、現在イレッサを服用している患者は速やかに主治医と相談すべきであるとされ、またFDAは、今回の試験結果を検討し、市場からイレッサを回収するか、他に妥当な規制措置を採るかを決定する予定であるとしています。

なお、薬害オンブズパースン会議では、今回の臨床試験結果及びFDA声明を受けて、明日(24日)、厚生労働省及びアストラゼネカ社に対し緊急要望書を提出する予定です。