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ファイザーが臨床試験での支払いを情報公開する米国で最初の製薬会社に

2010-06-28

(キーワード:情報公開、医師への支払い開示、ファイザー、臨床試験、企業誠実性協定)

 ピンクシートディリー(電子版)2010年3月31日の記事を以下に紹介する。
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 ファイザーは医療専門家に対する支払いを情報公開する製薬会社としては5番目だが、臨床試験実施のための研究者や施設への支払いを含む点では最初の製薬会社となった。2010年3月31日には臨床試験実施のための研究者や施設への支払いは、2009年7月から12月の半期分は、合計15億3千万円であると公表した。これには、参加者募集、試験のコーディネートとその実施、規制要件に適合しているかどうかの確認活動の支払いが含まれる。 非現金支出の支払いも公開し、25ドル以上あるいは半年で合計500ドル相当の教育関連教材や食事が含まれる。

 また、リリーは初めて医療専門家に対するコンサルタント料・講演料支出を公開した。これにメルク、グラクソ・スミスクライン(GSK)、セファロンが続いた。セファロンは企業誠実性協定(Corporate Integrity Agreement,CIA,訳注1)のもとで要求される通年支出を報告した最初の会社となった。製薬企業は2010年3月に成立したヘルスケア改革法の条項によっても医療専門家への支出を報告する必要を生じる。ヘルスケア改革法のもとでは、コンサルタント料・講演料、食事接待の値段、それに医師教育教材などの非現金支出の報告が必要となる。
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 米国では従来「サンシャイン法」と呼ばれていた法律がヘルスケア改革法に組み込まれる形で成立し(※1)、医師や研修病院への支払いを情報公開することは製薬企業にとって義務となる。日本でも同様な対応が求められるべきであろう。  (S.T)

訳注1)企業倫理協定、あるいは企業誠実性協定とも訳される。Integlityは“倫理”と訳すより、“誠実性”の方が内容に合致する。米国では企業が、HHS(保健福祉省)監察官から、なんらかの法令違反の指摘を受けたときに、企業がHHSに対して法令遵守を誓って結ぶ協定であり、法令遵守のプログラムをつくりそれに従う。 セファロンが結んだCIAの冒頭には、“セファロン社はFDAの法令や規制、指示を遵守しさらに、メディケイドやメディケアまたすべての連邦保健プログラムの法令や規制、指示を遵守することを促進するためにCIAを結ぶ”とある(※2)。