調査・検討対象

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レセプト・データベース

1 レセプト・データベースとは

医薬品の安全対策に活用する目的で整備されたレセプト情報に基づくデータベース。

2 取り上げた経緯

厚生労働省に設置された薬害肝炎検証再発防止委員会は、2010年に5月に最終提言を公表し、医薬品の安全対策強化の観点から診療記録やレセプト情報などの各種データベースの活用基盤の整備を求めた。
そこで、そのあり方等を研究・検討するために厚生労働省に、「医薬品の安全対策等における医療関係データベースの活用方策に関する懇談会」(「懇談会」)が設置され、提言案がまとめられ、パブリックコメントが募集された。

3 何が問題

懇談会では、診療記録やレセプト情報を医薬品等の安全対策に向けて用いる場合の方法や問題点、制度設計等について議論が重ねられた結果、第6回懇談会に提出された提言案では、レセプト・データベースの医療安全対策への使用が「目標」と位置づけられ、その具体的な活用方法まで示されていた。
ところが、第7回委員会に事務局から提出された提言案では、内容が大幅に削除され、結局、パブリックコメントの対象とされた提言案では、ナショナルレセプトデータベースが「課題」の一つに格下げされ、「可能性がある」、「活用できるかどうか検討されることを期待している」等と大幅に後退した内容となってしまった。
この背景には、社団法人日本医師会が、「二次利用が『ありき』で環境整備の足固めが進んでいないことに強い懸念」を表明したという経過があった。
しかし、安全対策の強化のためには、ナショナルレセプトデータベースは需要である。安全対策への積極的利用に向けての課題の整理と具体的な制度設計が求められている。

4 基本的な行動指針

懇談会に、個人情報保護との調和を図りつつ ナショナルレセプトデータベースの医薬品等の安全対策への積極的利用に向けての課題の整理と具体的な制度設計の提示が求める意見書を提出する。

5 行動と結果

2010年7月19日、「電子化された医療情報データベースの活用による医薬品等の安全・安心に関する提言(案)(日本のセンチネル・プロジェクト)」に関するパブリックコメント募集に対し、意見書を提出した。
結果として、懇談会の提言は、修正された。

6 今後の課題

個人情報の保護を図りつつ、安全対策に真に生かせるデータベースの具体的整備が必要である。