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OTC鎮咳剤デキストロメトルファン 米国で乱用に警告

2005-07-29

 (キーワード: OTC鎮咳剤、デキストロメトルファン、FDAが乱用に警告)

 鎮咳剤デキストロメトルファンは、日本でも一般用医薬品のせきどめ、カゼぐすりに多く含まれている成分である(せきどめ:コンタックせき止めSR、ブロン錠21、コルゲンコーワ咳止めカプセルなど、かぜぐすり:パブロンG、ベンザエースA、新ルルKなど)。米国FDA(食品医薬品局)は、デキストロメトルファンの乱用により、5人の若者が死亡した事例を検討し、5月20日その乱用に警告する文書(トーク・ペーパー)を出した(※1)。FDAは、デキストロメトルファンは常用量を用いる限り安全な薬剤であるが、多く用いると脳損傷、けいれん、意識消失、不整心拍(不整脈)など、重篤な有害副作用をもたらし、死亡する可能性もあると警告している。このデキストロメトルファンは、日本でも「東京都薬物の濫用防止に関する条例」が、脱法ドラッグの対象として指定している(※2)。

 米国では、OTC薬の販売が完全に自由化されており、コンビニやスーパーマーケットなどで販売されていることが、被害を拡大しているものとみられる。日本ではいま、厚生労働省の検討会で、一般用医薬品販売制度改正の論議がされている。これは、日本においてもドラッグストアなどの量販店において、せきどめ、かぜぐすり、鎮痛剤などリスクの高い成分を含む医薬品でしかも大包装のものが、他の商品と同様に陳列、消費者が自分で手にとってレジに運ぶ「セルフ販売」方式で販売され、対面販売の法的規制がなし崩しになっている現状があり、どうするかが論議されているものである。このようなリスクの高い医薬品の販売方法での規制強化が必要と思われる。
                              (T)