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クレストール特集(2) 米国内科学会でクレストールは不要との指摘

2005-05-24

 米国内科学会日本支部のホームページに紹介された、2004年の米国内科学会年次セッションレポート(前田賢司氏による)では、国際的に著名な専門家の「このような効果の強い薬は必要ない」という発言が紹介されています。
 以下、レポートの引用です。

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「Hyperlipidemia: Controversies in Drug Therapy(2004年4月22日午後4時〜)、MTP: Robert A, Kreisberg, MD, MACP

 今年もコレステロールの分野で有名なクライズバーグ先生の講議を聴いてしまいました。お話がユニークで講義に定評のある先生ですが,今年は会場内に「何が聞きたい?」と尋ねてからハンドアウトに必ずしも沿わずにどんどん話が進んでいきました。興味深かったのはスタチン系の比較ではプラバスタチンが最も安全であること(それでもmyopathyには注意)を強調されたことと,米国で昨年発売されたロスバスタチン(Crestor,日本でも発売が噂されながらまだ未発売)について「私はこのような効果の強い薬は必要ないと思う」と断言されていたことでした。米国ではCrestorは最大40mg/日まで使えることになっていますが,Crestorの5mgがアトルバスタチン(リピトール)の10mg,プラバスタチン(メバロチン)の40mgと同等(30〜35%のLDL-C低下作用)だと言うのです。つまり米国で認可されたCrestorの最大用量は単純計算でリピトール80mg,メバロチンの何と320mgに当たるというくらい強い訳ですから,確かにそんな量が必要な例はそうは多くないかも知れません。(帰国後に日本のMRにお聞きしたら,おそらく日本では5mgの用量で認可されることになるのではないか〔※〕というお話でした。)」

※引用者注
 日本での最大用量は20mgで承認されました。アジア人では血中濃度が高くなることなどが考慮されたためです。
 2005年5月24日現在の添付文書の記載は以下のとおりです。
【用法及び用量】
 通常,成人にはロスバスタチンとして1日1回2.5mgより投与を開始するが,早期にLDL-コレステロール値を低下させる必要がある場合には5mgより投与を開始してもよい。なお,年齢・症状により適宜増減し,投与開始後あるいは増量後,4週以降にLDL-コレステロール値の低下が不十分な場合には,漸次10mgまで増量できる。10mgを投与してもLDL-コレステロール値の低下が十分でない,家族性高コレステロール血症患者などの重症患者に限り,さらに増量できるが,1日最大20mgまでとする。

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