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心血管リスクのため主力製品・COX-2阻害薬の販売をメルク社が中止

2004-10-21

心血管リスクのため主力製品・COX-2阻害薬の販売をメルク社が中止
 (キーワード:メルク社、販売中止、COX-2選択型NSAID、非ステロイ
 ド抗炎症剤、ロフェコキシブ、バイオックス、心血管有害副作用リ
 スク)

 有害副作用が少ないタイプの非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)として売り出され、関節炎などに広く用いられていたCOX-2阻害薬の代表製品のひとつバイオックス(成分名ロフェコキシブ、日本では治験段階)について、米国メルク社が心臓発作、脳卒中など心血管イベントの有害副作用リスクのため、米国はじめ全世界での販売中止を決めました。ロフェコキシブやCOX-2阻害薬による心血管イベントの有害副作用についてはこれまでも問題になっていましたが、今回の販売中止の決定は、大腸がん予防の効能追加のため行ったプラセボとの長期比較臨床試験で、18か月連用により心血管イベントのリスクが有意に増加したことでなされました(※1)。

 販売中止になったバイオックスは、2003年世界売り上げランキングが19位の大型製品でした。同じCOX-2選択型NSAIDの類似薬セレコキシブ(商品名セレブレックス、ファイザー社、日本では申請中)は17位です(※2)。

 メルク社のバイオックス販売中止を受けて、米国の市民団体パブリック・シティズンは「危ないのはバイオックスだけではない。"スーパーアスピリン"といわれる他のCOX-2選択型NSAID(非ステロイド性抗炎症剤)も同様のリスクがある」との声明を出しています(※3)。
(T)