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欧州議会が新薬臨床試験の情報公開法を可決

2014-09-17

(キーワード:欧州議会 臨床試験登録 情報公開法 臨床試験登録、EU臨床試験指令)

 欧州ではEU臨床試験指令により臨床試験の法的規制が整備されつつあり、臨床試験データの情報公開を進める新法が欧州議会で正式に承認された。欧州は米国よりも臨床試験の登録とデータの公開が遅れていたが、この新法により臨床試験の透明性が高められることが期待されている。医薬品業界も規制がより効率的で調和されたものになると歓迎している。
 欧州議会が圧倒的多数で新薬の臨床試験情報公開法を可決した翌日、欧州医薬品庁を企業秘密の公開で提訴していた2社のひとつAbbVie社が、提訴を取り下げると表明した。欧州医薬品庁が公開される資料を少なくすることに合意したことを取り下げの理由にあげている。消費者グループ側は、もう1社のInterMune 社も提訴を取り下げるよう求めている。(※1)
 以下はスクリップ電子版(2014年4月3日)「Parliament vote clears way for new EU clinical trial rules」の概要である。

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 欧州議会は2014年4月2日、承認された新薬についての情報公開を進める新法を賛成594. 反対17、棄権13の圧倒的多数の賛成で可決した。2年後の2016年中旬に施行される。新法が施行されると臨床試験の認可が1本化され、臨床試験データベースが公開され、有害事象報告とインフォームドコンセントに対する厳しい罰則が適応されることになる。議会で規制に関する交渉を主導したGlenis willmottは「新法は臨床試験を透明化し、患者に新しくよりよい治療を与え、欧州での臨床研究の数を押し上げるであろう」と言った。

新しい規制によってもたらされるであろう主要な変化は以下の通り。
・EU内の全ての臨床試験は試験が開始される前に単一のポータルサイトに登録され公開される。
・臨床試験の結果の要約は試験終了後1年以内に公開されなければならない。
・臨床試験総括報告書(CSR)は新薬が販売承認される前に公開されなければならない。また、CRSに含まれる情報は一般的な商業的機密とはされない。
・容易に理解できる言語によるインフォームドコンセントを保証するための厳しい罰則が適応される
・すべての重篤な有害事象は安全性問題に責任のある調査者からスポンサーに報告され、予期せぬ重大な害反応の情報は欧州医薬品庁(EMA)に報告されなければならない。
・これらの新法を遵守しない場合、罰金が科せられる。

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 新法の意義は大きいが、AllTrials(※2)が指摘するように、今後承認される新薬だけではなく、すでに現在流通している医薬品についても同様の情報公開がされることが今後の課題となる。また、新法はEUポータルサイトとデータベースが稼働し、加盟各国がこの法律を自国の法制度に公式に組み込むまでは施行されない。この法律が本当に施行されるかどうか懐疑的な意見もあり、期待される成果を確認するには数年かかるかもしれない。     (GM)

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※1Drug company drops case after EMA agrees to redactions in some documents to be published
(BMJ電子版2014年4月7日号)

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