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英国NHSの決定に権限をもつ家庭医の3分の1以上に利益相反が存在

2013-06-18

(利益相反、英国NHS、BMJキャンペーン)

 利益相反とは、外部との経済的な利益関係により、公的な決定に必要な「公正」かつ「適正」な判断が損なわれる、または損なわれるのでないかと第三者から懸念が表明されかねない事態をいう。

 英国国民保健サービス(NHS)での利益相反について、BMJ(英国医学ジャーナル)グループが活発な動きをしている。

 以下はBMJ誌電子版2013年3月14日、3月19日、4月24日の一連の記事の要旨である。
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 NHSの新臨床コミッショニンググループ(CCGs) (2013年4月発足)の評議員である家庭医の3分の1以上が、CCGsに関係する民間企業の取締役であったり、株を所有したりなどで利益相反があることが、BMJの調査・分析で分かった。

 これは、176のCCGsにおけるほとんどの評議員(2500名)が届け出た経済的利益関係について分析したものである。CCGsは、NHSヘルスケアサービスで600億ユーロの支出の決定を行う権限をもっている。

 利益相反はCCGsの運営層に広範囲に存在し、CCGs 評議員の家庭医1179名のうち426名(36%)がNHSのヘルスケアサービスを提供する営利業者の重要なポストを通常の診療業務以外に兼任していた。

 このBMJの調査結果を受けて、英国労働党は、利益相反のある家庭医が重要な決定に関与することを禁止するよう政府に求めた。英国医師会と王立家庭医協会も管理方法を厳しくするよう政府に求めた。

 NHSイングランドはBMJの調査・分析に呼応して新たなガイダンスを発表し、CCGsに“substantial business ”(重要な商取引)をもたらす、またはもたらすと考えられる組織と経済的な利益関係がある家庭医はCCGsの評議員になるべきでないとした。ガイダンスはCCGs評議員の任命について、CCGsのこの問題に対する原則を踏まえた上で、任命によって得る可能性のある利益の具体性や程度を評価してケースバイケースで考慮されるべきとしている。
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 利益相反は、公正かつ適正であるべき公的な決定をゆがめる可能性が存在する。公的な決定に携わる個人や団体については、すべての利益相反が公表され、また重大な利益相反を有する個人や団体は、重要な公的決定に関与しないよう規制が必要である。

 医薬品はその多くが民間の営利企業によって開発されるだけに、医薬品に関連する公的な決定がゆがめられないよう、利益相反管理がとりわけ重要である。   (T)

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