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米国ティーンエージャーの頭痛セルフメディケーションとOTC薬の誤用

2004-08-26

(キーワード:  米国、OTC薬自由販売、ティーンエージャー、頭痛自己治療)

 OTC薬販売が自由化された米国における、前掲情報(※1)と同様の誤用実態を伝える米国医師会雑誌(JAMA誌) 2004年7月28日号の、「ティーンエージャーが頭痛を自己治療するときに、OTC薬をしばしば誤用するようになる」の記事です(JAMA 292,424-425, 2004)。
 以下は要約です。

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6月に米国頭痛学会でDavid Rothner医師が発表した研究では、
頭痛に悩む小児やティーンエージャーが市販のOTC薬を誤用し、
病気を悪化させたり、他の問題を生み出したりしている。彼らの
両親はしばしば自己治療に気づいていない。彼らは、市販の疼痛
緩和薬を回数多く用い、腎不全や消化管出血などに至っている例
がある。

頭痛をOTC疼痛緩和薬で治療するのは、普通に行われていること
ではあるが、成人でも鎮痛薬を繰り返して使用しているうちにリバ
ウンド(薬を止めたあと、症状が以前より悪化すること)を起こした
り、慢性頭痛につながったりすることを良く認識していない。皮肉
なことに、鎮痛薬の服用中止が頭痛の単純な解決法だったという研
究結果も示されている。

多くの小児やティーンエージャーたちにとって、頭痛は生活の一部
といっていい程、頻度が高い。15歳のティーンエージャーの75%が
頭痛を経験している。OTC鎮痛薬でのセルフメディケーションは過
量使用につながりやすく、また片頭痛にアセトアミノフェンを用いた
り、ストレスの不適切な治療もみられる。

今回の研究に参加したティーンエージャーの85%が、彼らの生活に
ストレスが多いことを訴えているが、彼らはセルフメディケーショ
ンよりも、運動したり食事を改善したりしてストレスを最小化する
方がよいと、テネシー医科大のRing医師はコメントしている。
 (T)