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糖尿病剤アバンディアが欧州で市場撤去、米国では厳しい販売制限。グラクソ・スミスクライン社は世界的に販売促進活動を停止

2010-11-02

(キーワード: アバンディア、ロシグリタゾン、GSK、販売促進活動停止)

 アクトスと同効薬である糖尿病治療剤アバンディア(ロシグリタゾン)について、2010年9月23日欧州医薬品庁(EMA)は、承認の一時停止と市場撤去を発表した(※1)。同日米国食品医薬品庁(FDA)も、同剤に厳しい使用制限を課すことを発表した(※2)。これらを受けグラクソ・スミスクライン株式会社(GSK)は同日アバンディアの販売促進を世界的に停止することを発表した(※3)。以下は、それぞれの要旨である。
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1.欧州医薬品庁EMAプレスリリース
EMAはアバンディアなどロシグリタゾン含有製剤の承認の一時停止(suspension)を勧告する。これらの薬剤は数か月以内に欧州市場から撤去される。これらを服用中の患者は自分の判断で中止せず代替治療について医師と相談していただきたい。承認一時停止は会社がどういう患者集団がアバンディアによるベネフィット(益)がリスクを上回るのかを明らかにする確実なデータを示すまで継続される。

2.米国食品医薬品庁FDAがニューイングランド医学雑誌で示した見解
FDAはアバンディアにREMS(リスク評価・リスク軽減策)を課すことで、アバンディアへのアクセスを制限する。アバンディアは、これまでアバンディアを用いていない患者で他剤では血糖コントロールができない患者、医学的な理由でアクトスを用いることができない患者に用いられる。アバンディアを服用中の患者でリスクを承知する患者には継続できる。FDAはREMSがアバンディアの使用を大幅に減じると予想している。

3.GSKプレスリリース
GSKはアバンディアが2型糖尿病の重要な治療剤と信じており、求められた対応を実行するためにFDA、EMAと協同して作業中である。GSKはアバンディアを販売しているすべての国で自主的にアバンディアの販促活動(promotion)を中止する。
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 心血管リスクが注目されているアバンディアについて、EMAは承認の一時停止と市場撤去、FDAはREMSを適用し厳しい使用制限を課す決定を同じ日に発表した。これを受けGSK社は世界的にアバンディアの販売促進活動を停止することを表明した。事実上、アバンディア問題は一定の決着をみたことになるであろう。
 我が国では,これまで承認の一時停止となった医薬品はない。アバンディアは,我が国では承認されていないが,こうした海外での厳しい対応は注目すべきであり,今回取り上げた次第である。   (T)