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プレスクリール誌がアクトスは用いないようにと重ねて意見掲載

2008-10-24

[キーワード: プレスクリール誌、アクトス(ピオグリタゾン)、グリタゾン剤]

 糖尿病治療薬アクトス(成分名ピオグリタゾン)について、日本においては2000年4月および10月に、TIP(正しい治療と薬の情報)誌が、アクトスは臨床用量で心毒性(心肥大など)と骨毒性(骨量減少)、発がん性(膀胱がん)が認められているため、使用を中止、製造承認を取り消すべきであると、指摘している(※1、※2)。当会議では、アクトスの心毒性などを重大な問題としてとらえ、2000年10月に、薬事法69条の3に基づき販売中止と回収の緊急命令発動を求める要望書を提出している(※3)。注目情報においても、アクトスが属するグリタゾン剤の次世代薬として開発されている製剤が、安全性の問題で開発中止になっていることなどを取り上げてきた(※4)。
 フランスで発行されている著名な医薬品情報誌プレスクリールは2007年に、アクトスとメトホルミン、アクトスとグリメプリドの配合剤がフランスで販売承認された際に「単独使用剤、他剤との配合剤のいずれでも、グリタゾン剤の糖尿病患者への使用は避ける」との編集者の意見を掲載した( 英語版のプレスクリール・インターナショナル誌90号145ページ)。グリタゾン剤は副作用が多く、リスクが便益を上回るので用いるべきでない(黄班浮腫、視力喪失、女性100人/1年間投与に1人の頻度の骨折。アクトスで膀胱がんなど)。糖尿病経口治療剤の第一選択剤は、肥満患者に対してはメトホルミン、それ以外の患者にはグリベンクラミドであり、それらが適さない場合にはインスリン療法を考慮するとの内容である。
 フランスではこのほど、アクトスにさらにインスリンとの併用の新適応が承認された。インスリンによる血糖コントロールが不十分な患者で、メトホルミンを用いることができない場合にアクトスを用いるとの用法である。新適応追加に対し、プレスクリール・インターナショナル誌97号(2008年10月、189ページ)が、あらためて「単独使用剤、他剤との配合剤のいずれでも、グリタゾン剤は糖尿病患者に使用しない(Do not use)」との、編集者による論説を掲載しているので、要旨を紹介する。
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 2002年以来、2型糖尿病患者に対するグリタゾン剤の使用は、急速に伸びている。その原因は、今回のアクトスのインスリンとの併用を可能とする新適応をはじめ、1つまたは2つの他の経口治療剤と組み合わせる量を固定して一剤とした配合製剤の販売承認など、使いやすくなってきていることがある。
 欧州医薬品庁(EMEA)は、最初はリスクと便益を考慮して使用に制限を加えていたが、妥協して制限を緩和してきた。患者と医療専門家は、グリタゾンに関する明確な証拠に目を向けねばならない。グリタゾン剤は、臨床的なアウトカム(治療の成果)に証明されたものがなく、一方副作用は黄班浮腫(視力低下を伴う)、骨折、心筋梗塞、心不全、がんなど重篤なものである。
 これらの行政が使用制限を緩めてきた決定は患者の利益にそったものでないので、単純にグリタゾン剤の使用は避けるのが賢明である。   (T)