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米国FDAが添付文書簡潔化と引き換えに、製薬企業を保護する施策

2006-03-14

(キーワード: 添付文書の簡潔化、FDA、製薬企業保護施策)

 米国においても医療用医薬品の添付文書を読んでいる医師は非常に少なく、10人に1人程度といわれている。添付文書がわかりにくい原因の1つに、製薬企業が医療従事者や患者に情報を提供しなかったと訴訟で追及されることを怖れ、警告など何でも添付文書に書いておこうとすることがある。添付文書を簡潔にわかりやすくするために、FDAは5年前に、是非伝えたい部分をハイライト欄に記載することを含む簡潔化の提案を行ったが、製薬企業がこれに抵抗し、なかなか実現しなかった。

 BMJ誌2006年1月28日号によれば、このほどFDAは製薬企業の要求を入れ、ラベリング(添付文書作成)の指針に「Pre-emption」と呼ばれる条項を設けるポリシーステートメント(政策表明)を発表した。Pre-emptionとは、先取り・先制・予防などの意味合いで、予想される事態を先に行動することによって回避することを意味し、警告をしなかったことを理由として製薬企業の責任を製造物責任訴訟で追及することを制限するものである。法的拘束力はないが、訴訟になったときに裁判所はFDAのこのステートメント(政策表明)を考慮するものとみられている。
                                              (T)

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