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患者の副作用直接報告制度(患者イェローカードシステム)が本格稼動(英国)

2005-12-20

 (キーワード:  患者の副作用直接報告制度、患者イェローカード、英国)

 英国は、今年1月から患者からのイェローカード(有害事象報告)の受付を試験的に開始していたが(※1)、10月25日、試行が良好に経過したので、全国的に本格稼動させると発表した(※2)。記者発表で医薬品安全性委員会(CSM)の委員長であるゴードン・タフ教授が述べた要旨は以下のとおりである。

  「患者からのイェローカード(有害事象報告)の受付を本格的に稼働させる利
  益は明白になってきている。患者からの報告は、医療専門家からのイェロー
  カード報告では容易に得ることができないような極めて有用な洞察をもたら
  す。イェローカード・システムは、英国における医薬品安全性モニタリングに
  おいて不可欠なものであり、イェローカード・システムに患者からの報告が
  加わることで、この制度はさらに有益なものとなる。患者からの有害事象報
  告の制度が整い、患者が制度に精通することで、このことはよりはっきりと
  するだろう。医薬品安全性委員会の患者報告作業班は、患者報告のための
  システムを発展させる上で、貢献が極めて大きかった」

 患者報告に関する医薬品安全性委員会(CSM)の作業班長であるパトリシァ・ウィルキー医師も「今回のことは患者の医療への真の参加を実現していく上で大きな一歩である」と語っている。

 英国のイェローカード・システムは、サリドマイド薬害のあと1964年に設定され、40年を超える歴史をもち、各国の副作用モニタリングのお手本になってきた。いま、それに患者からの直接報告が加わり、改善されることで、新たな段階に入ったと言える。なお、英国の患者イェローカードの様式見本と患者記入ガイドは下記「関連資料※3」のウェブサイトで見ることができる。

 当会議は、厚生労働省に対し、日本でも患者からの有害事象の直接報告を受け入れるシステムをつくるよう要望してきているが、いまだ実現していない。 (T)