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 HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の副反応問題について、このワクチンを推進する立場の人がよく口にするのが、WHOのワクチン安全性諮問委員会(GACVS)はHPVワクチンを支持する声明を出しているということです。

 しかし、WHOの声明には科学的に多くの問題があり、薬害オンブズパースン会議では1ページの記事のとおり、反論を公表しています。

 加えて、ニュージーランドでの情報公開請求によって開示されたGACVS委員長と日本の厚生労働省担当者とのメールから、GACVSのHPVワクチンありきの不公正な姿勢が明らかになりました。

 GACVSは、HPVワクチンの安全性への懸念を否定するために、2014年2月26日に日本で開催された厚生労働省「子宮頸がん予防ワクチンに関する意見交換会」の進行に不当な介入をしていたのです。

 この意見交換会には、MSD社が販売するHPVワクチン「ガーダシル」にHPVのDNAの断片が混入し安全性に悪影響を及ぼしているという論文を発表しているシン・ハン・リー医師が招聘され発表することが予定されていました。当時、GACVS委員長が、このリー医師の見解に対する唯一の反論だと認識していたのは、ヘレン・ペトウシス=ハリス医師がニュージーランドのオークランド大学予防接種諮問センターのウェブサイトに掲載したコメントでした。そこで、GACVS委員長は厚労省担当者と水面下で協議して、ペトウシス=ハリス医師を有識者として意見交換会に招聘したのです。ペトウシス=ハリス医師は、自らメール中で「私がこの問題の専門家であるかどうかは分かりません」「博士課程の研究の一環で何年か前に検討した経験はあります。」と認めるほどにHPVワクチンに関する研究実績に乏しい研究者だったのですが、それを承知のうえでの招聘でした。意見交換会では、リー医師の発表のあと、「専門家」とされたペトウシス=ハリス医師が反論し、リー医師の再反論の時間はほとんど与えられないまま、リー医師の見解は「科学的根拠に欠ける」とされました。このようにGACVSと厚労省の思惑通りに進行したことで、厚労省担当者は、GACVS委員長に、報道対策としてもうまくいったとお礼のメールを送っています。  

 薬害オンブズパースン会議は、この問題について厚労省に公開質問書を提出しました。質問書には、メール自体を日本語訳とともに添付してあります。その生々しいやりとりをご一読いただければ、皆さんのWHOのイメージは変わります。是非薬害オンブズパースンのウェブサイトをご覧ください。

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