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改正薬事法の既存配置販売業の経過措置に関する意見

1 改正薬事法の既存配置販売業の経過措置とは

2006年3月「薬事法の一部を改正する法律案」が通常国会に提出され、同年6月に可決成立した。一般用医薬品の販売に関して、そのリスクに応じて3つに分類し、1類については薬剤師による対面販売、2、3類については薬剤師又は新たな専門家として登録販売者による販売を義務づけた。
これは一般用医薬品に本来必要であった薬剤師の配置が徹底されなかった現状を踏まえ、登録販売者という新資格を設け、登録販売者にも一般用医薬品の販売を担わせることで、リスクの程度に応じて専門家による消費者に対する適切な情報提供をはかる実効性ある制度の構築をめざすものだと説明された。
配置販売業の経過措置は、この改正に伴い、既存の配置販売業、新資格を取得せず既存の配置販売業の業務を行えるよう、期限の定めなく設けられた経過措置である。

2 取り上げた経緯

本改正は、医薬品販売制度改正検討部会報告書(平成17年12月15日)に基づくものであるが、同検討会には当会議のメンバーも委員として参加しており、本改正問題については、継続的に検討会を傍聴し、意見書を提出する等してきた。
そこで、検討会報告書の趣旨を没却する改正案の経過措置規定についても、意見を述べることとした。

3 何が問題か

検討会報告書は、既存の販売業者にも登録販売者としての資格を求めることとしたが、経過措置はあくまで「新たな制度に円滑に移行できるように」するためのものと位置づけられていた。
これを受けて、薬事法改正案では、既存の一般販売業者及び薬種商に関しては、「施行の日から起算して3年を超えない範囲内において政令の定める日」までに限って、新資格を取得せずに既存の一般販売業・薬種商の業務を行えるよう経過措置を定めたが、配置販売業者については、経過措置の適用期限が定められなかったのである。
こうした無期限の経過措置が認められれば、法人の配置販売業者は未来永劫、登録販売者資格を取得することなく一般用医薬品を販売することが出来ることになってしまう。
これは最大3年間の期限が付されている既存の一般販売業者や薬種商と比べて不平等であり、安全性を軽視して、既得権益を擁護するものである。

4 基本的な行動指針

意見書を提出する等して問題点を整理し、マスコミに対しても積極的に働きかけを行って問題点を広く知らせ、附則の修正を実現する。

5 具体的行動とその結果

2006年4月5日付で、要望書を提出し、改正案附則10条を修正して、既存配置販売業の経過措置期間について一般販売業者(附則2条)既存薬種商(附則5条)と同様に「この法律の施行の日から起算して3年を超えない範囲内において政令の定める日までの間は、」を加えることを求めた。
また、検討会委員でもある当会議メンバーのサリドマイド被害者増山氏の内閣総理大臣宛の手紙をホームページで公開する等した。
その結果、参議院審議では、全国薬害被害者団体連絡協議会代表花井氏や販売検討部会の井村部会長等が招集され、配置薬販売の経過措置問題も含め制度改正案についてヒアリングが行われた。医薬品による健康被害が繰り返されてきたという歴史から、法案成立後の法令等について議論する際には、薬害被害者を今後の具体的に施行に向けた議論に加えるという答弁がとれ、最終的に薬事法改正案には16項目にも及ぶ付帯決議が加えられた。しかし、既存の配置薬経過措置問題については、付帯決議の9項目で「配置販売については、既存の配置販売業者に対して、その配置薬の資質向上に向けた取り組みを行うよう指導するとともに、新制度への移行を促すこと」としただけで、経過措置の期間を規定することや、せめて新たに経過措置について見直すという修正も受け入れられず、配置薬販売の経過措置問題では実質的に獲得できたものはなかった。

6 その後の経過

改正薬事法案では、一般用医薬品販売に従事できる者として、薬剤師と、新たに新設された登録販売者が常時配置され、こういった医薬品の専門家による相談や情報提供が販売時には課せられた。また、医薬品はリスクの程度に応じて3分類に区分され、外箱や店舗内にリスク区分を表示することが規定されている。このような改正薬事法で規定された販売体制や、販売環境整備に必要な省令等の制定にあたり、必要な事項を検討するための2つの検討会が設置された。
登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会 (2007.2.20〜6.26)では、登録販売者試験に関し、難易度に格差が生じさせないために出題範囲、実施方法等について検討し、その結果を踏まえて試験の実施に関するガイドラインを作成することとした。
医薬品の販売等に係る体制及び環境整備に関する検討会(2008.2.8〜現在審議継続中)では、医薬品の管理のあり方や、医薬品の配置、情報提供のあり方など、販売環境整備のための議論が行われている。
改正薬事法では実際の詳細な運用方法まで触れていないので、現在審議している省令等での制定が、新制度を遵守させる上で大切になっている。これらの文章の表現ひとつで、制度にどれほどの実効性を持たせられるのか、安全をどの水準で確保するのかが、ある程度規定されることになる。今後は検討会の報告書をもとに、順次策定される省令等を十分に注視していく必要がある。

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