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臨床研究法案

1 臨床研究法案とは

平成28年5月、第90回国会に提出され、継続審理となっている臨床研究を法規制する法案である。
法の目的について、政府は「臨床研究の実施の手続、認定臨床研究審査委員会による審査意見業務の適切な実施のための措置、臨床研究に関する資金等の提供に関する情報の公表の制度等を定めることにより、臨床研究の対象者をはじめとする国民の臨床研究に対する信頼の確保を図ることを通じてその実施を推進し、もって保健衛生の向上に寄与することを目的とする」と説明している。
その主要な内容は、以下のとおりである。

  1. 製薬企業などが、自社製品を利用して臨床試験を実施する研究に資金提供する場合、契約を結び、インターネットなどで公表することを義務づけること
  2. 製薬企業などから資金提供を受けた薬の臨床試験や未承認薬を使った臨床試験を「特定臨床研究」と規定し、特定臨床研究については、治験に準じてインフォームド・コンセント、有害事象報告、個人情報保護、記録保存を義務づけ、認定臨床研究審査委員会の意見聴取、実施計画の厚労大臣提出等を義務付け、厚労省に調査・命令等の権限を付与する等、治験に準じた扱いをすること

2 取り上げた経緯

多くの先進国が法による臨床研究規制を行う中、日本は強制力のない倫理指針に頼り、法による規制が行われてこなかった。そこで、薬害オンブズパースン会議では、臨床研究規制の法制化を求めてきたところ、法案提出となったので取り上げた。

3 根本的な問題点

ようやく法による規制が行われるようになったことは評価できる。
しかし、法制化の論議が、企業と研究者との利益相反が生んだ研究不正事件「ディオバン事件」を契機として行われたこともあり、以下のような問題がある。

  1. (1) 被験者の権利規定が明記されていない
    臨床研究については、まず、被験者の権利を明記し、この保護を中心においた体系的な基本法、すなわち「臨床研究基本法」をまず制定すべきというのが薬害オンブズパースンのこれまでの意見であるが、そうなっていない点が問題である。
  2. (2) 特定臨床研究と他の臨床研究の峻別
    被験者保護、公正さの確保の必要性は特定臨床研究に限定されるものではないのに、治験に準じて扱う臨床試験は、特定臨床研究のみであって、他の臨床試験は対象となっていない。
  3. (3) 省令への委任が多数
    省令への委任が多数あり、省令・運用如何では実効性の乏しいものとなる恐れがある。
  4. (4) 研究者への処罰は限定的
    研究不正を行った者への処罰規定が不十分である。

4 基本的な行動指針

国会に提出された法案をよりよいものとするため、国会質問等を通じて、問題点を明らかにし、ロビー活動を通じて、法案の修正を求めていく。

5 具体的行動とその結果

ロビー活動を行い、上記の各問題について説明し、実際に質問を実現させた。但し、具体的な法案の修正には結びついていない。
引き続き、国会での審議や、その後の省令等を注視していく。

トピックス

  • 薬害オンブズパースン会議
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