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「医学研究における不正行為に関する要望書」を提出

2013-02-26

薬害オンブズパースン会議は2013年2月26日、厚生労働大臣、文部科学大臣、日本医学会会長、日本学術会議会長に対して「医学研究における不正行為に関する要望書」を提出しました。

最近、東邦大学や獨協医科大学などで、医学研究における重大な不正があいついで発覚しています。これに対して研究ガイドラインの改訂などの動きが出ていますが、現状において守られていないガイドラインをさらに強化しても、研究不正を根絶することは難しいと考えられます。

このため本要望書では、医学研究不正に対して中立的な第三者調査を行う制度を早期に創設し、その調査結果に基づいて悪質な不正を行った医師、歯科医師、薬剤師に対して免許にかかわる厳しい処分を行うべきだと要望しています。欧米先進国の中にはすでにそうした調査組織を持っている国も多く、それに基づいて医師免許はく奪などの処分が行われている事例もあります。

医学研究の不正を防止できなければ、誤ったエビデンス(医学的根拠)に基づく投薬・診療が行われるなど、新たな薬害・医療被害を生む恐れがあります。本来なら医学研究者の自律的対応が望まれるところですが、現状ではその動きは鈍いと言わざるを得ません。現状の抜本的改善に向けて、国、医学界、学術団体が早急に取り組むことが求められています。

要望の趣旨

1 調査制度の創設
厚生労働省及び文部科学省は、医学研究における不正行為の有無を公正中立な第三者により調査する制度を創設すること。

2 不正行為に対する処分
(1) 厚生労働省及び文部科学省は、医学研究において不正行為を行った場合 の懲戒処分について指針を示すと共に、所管の各研究機関に対して懲戒処分に関する内規を策定するよう指導すること。
(2) 厚生労働大臣は、医事及び薬事に関する免許を保有する者が医学研究において不正行為を行った場合は、医道審議会に諮問し、不正行為の内容に応じて、戒告、業務停止又は免許取消しのいずれかの行政処分をすること。

3 倫理研修の実施
学会は、医学研究における倫理規範について、学術集会やセミナー等を開催して周知徹底すること。

以 上

関連資料・リンク等