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「抗がん剤副作用被害救済制度の創設を求める要望書」を提出

2012-08-02

  薬害オンブズパースン会議は、2012年8月2日、厚生労働大臣および「抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会」座長に対して、「抗がん剤副作用被害救済制度の創設を求める要望書」を提出いたしました。


  医薬品副作用被害救済制度は、多くの患者に治療上の利益をもたらす一方、副作用被害が発生することを避けられないという医薬品の特性に鑑み、薬害スモン事件の被害者運動の成果として、公平と被害者救済の観点から、1979年に創設された制度です。
  創設時に適用対象から除外されていた生物由来製品と抗がん剤のうち、生物由来製品は2004年から救済の対象となりましたが、抗がん剤は対象から除外されたままです。
  しかし、制度の趣旨に照らせば、抗がん剤を救済の対象から除外する理由はありません。本制度の創設は、被害者救済のみならず、抗がん剤の安全性確保にも役立ちます。
  本制度の創設については、「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会」の「最終提言」においても指摘されています。
   また、厚生労働省が、薬害イレッサ事件に関する東京及び大阪地方裁判所の和解勧告を拒絶するに当たっても、当時の細川厚生労働大臣が制度創設を検討する旨を表明しています。
   小宮山厚生労働大臣は、「政策上の課題だと受け止めていますので、十分に検討を尽くすべき」と述べていますが、これまでの経過に照らせば、厚生労働省には、本制度の創設に向け最大限の努力をする責務があるというべきです。
   厚生労働省の「抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会」は、具体的な制度設計についての提案がないままに、審議を終了させる可能性も指摘されていますが、制度設計の前提となる副作用数の把握や、副作用の判定等さらに調査検討すべき課題について、ワーキングチームや研究班を設置して報告を求めるなどして、審議を尽くすべきです。