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子宮頸がんワクチン:ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種に関する当会議の見解(2013年3月トピックスに追加記載)

2010-11-16

「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種に関する当会議の見解」について
〜HPVワクチンの接種を検討されているすべての方へ〜

2009(平成21)年10月、子宮頸がんの原因とされているヒトパピローマウイルス(「HPV」)への感染及び感染後の発症(がん化)を予防するワクチン(「HPVワクチン」)が厚生労働省より認可され、日本国内での販売が開始されました。

現在、厚生労働省厚生科学審議会予防接種部会は、同ワクチンも含む8種類(ヘモフィスルインフルエンザ菌b型〔Hib〕、小児用肺炎球菌、水痘、おたふくかぜ、B型肝炎、大人の百日ぜき)のワクチンについて、専門家による作業チームを設置し、予防接種の法制化、接種費用の国或いは地方公共団体による助成などが検討されています。
HPVワクチンの予防接種化(公費助成)に関しては賛否両論あり、様々な見解が示されている状況です。

当会議は、こうした状況を踏まえ、自己決定権を保障するために、HPVワクチンの接種を検討されている方が知っておくべき基本的で重要な情報は何か、という観点からHPVワクチンの情報を整理・検討し、本見解をまとめました。

HPVワクチンには、接種者がHPVに感染することを予防する効果があります。しかし、現在市販されているHPVワクチンは、子宮頸がん発症の危険性を伴うHPV(ハイリスク型HPV)の内7〜8割を占める型(16型、18型)に対して有効であり、残る2〜3割の型に対する有効性は確認されていません。
このため、HPVワクチンを接種した方であっても、依然としてHPVへの感染、子宮頸がん発症のリスクがあり、子宮頸がんによる死亡リスクを回避、減少するためには、HPVワクチンを接種しただけでは十分ではなく、定期検診を受診することが必要不可欠となります。

HPVワクチン接種のメリットのみが強調され、こうした重要な前提情報が十分に提供されないままHPVワクチンの接種だけが広く推進されると、現在、低率にとどまっている定期検診の受診率がさらに低下する可能性があり、そうなると、子宮頸がんによる死亡リスクの回避・減少というHPVワクチンの本来の目的に反する結果となってしまう恐れもあります。

こうした問題点の他、HPVワクチンには有効性に関する種々の問題点(本見解本文をご参照ください)があることを踏まえると、国、地方公共団体、製薬会社及び医療機関は、接種希望者の自己決定権を確保するためにも、HPVワクチンの有効性と安全性に関する情報を十分に提供することが必要であり、またそのための体制を構築する必要があると考えます。また、同時に、定期検診の受診率向上に向けた取り組みも必要不可欠です。
 
本見解を踏まえて、国民への十分な情報提供体制、定期検診の受診体制が築かれることを望みます。

<追記 2013年3月25日 >

当会議が2010年11月に上記の見解を公表した後、2011(平成23)年7月には、HPVワクチン「ガーダシル」(製造販売元:MSD株式会社)も承認されました。
また、2010(平成22)年11月から、厚生労働省によるワクチン接種費用に対する公費助成が開始され、サーバリックス及びガーダシルいずれについても公費助成対象となり、販売開始から2012(平成24)年12月31日までの推計接種者は合計約342万人とされています。

そして、販売後の副作用報告が集積されています。 
2012年12月31日までに厚生労働省に報告された副作用報告に関しては、以下のサイトでご覧になれます。
  サーバリックスhttp://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002x5rx-att/2r9852000002x5te.pdf
  ガーダシル  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002x5rx-att/2r9852000002x63g.pdf
この中には、報告医が関連性ありと評価した重篤症例や評価不能とされた重篤症例が含まれています(意識消失、四肢痛などの他、ギランバレー症候群や急性散在性脳脊髄炎など)。

HPVワクチンは、特定の型のウイルス(全体の7割程度)に感染予防効果があるのみで、すべての型のHPVの感染が防げるわけではありません(※ 最近の報告では効果があるとされるウイルスの型は、全体のウイルスの型の5〜7割程度、これはワクチンの有効性の程度とは異なります−4月9日追記)。
また、長期の予防効果は不明であることなど、2010年11月の見解で指摘したことは基本的に現時点においても同様です。
 
サーバリックス及びガーダシルのがん予防ワクチンとしての有効性と安全性は未確立です。

一方で、HPVは、性行為によって感染するので、HPV ワクチン接種以外にも、コンドームの使用や性交パートナーの限定等による予防が可能とされています。
また、がんの前駆病変(異形性)が認められても、軽度〜中等度のうちは正常にもどる割合も高く、HPV感染からがんに至るまでに数年単位の長い経過をたどることから、定期的に検診を受けていれば早期治療が可能と考えられています。
 
上記の点を十分に踏まえたうえで、接種するか否かの自己決定をされることを勧めます。