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取材日 平成11年3月3日
質問者 タイアップ東京 野間啓 今村敏也
回答者 同機構総務部企画課長 岩田元一

1. 機構の事業内容を教えて下さい。
医薬品を適正に使用されたにもかかわらず副作用により健康被害を受けた方を救済するための救済給付がまず挙げられます。それ以外にも、大学などへの研究費支給等を内容とする基礎的研究業務や、患者数が少ないため開発が進まない医薬品の開発援助等を内容とする希少疾病医薬品等開発振興業務などがあります。また近年では、厚生省の委託を受けて、医薬品の治験、承認審査、市販後対策に至る調査等の業務を開始しました。

2. 機構は国家機関ですか?また、資金や職員はどうしているのですか?
国家機関ではありません。法律に基づいて設けられた認可法人です。但し、例えば救済給付の不支給決定に対する厚生大臣への異議申立制度が設けられるなど、行政機関に準じた取り扱いがなされている側面もあります。資金は、基本的には医薬品の製造又は輸入販売業者の拠出です。売上などに応じて拠出率が決まっています。また、先ほどの研究費支給や希少医薬品開発振興業務による助成は、国庫補助を受けています。事務費についても2分の1が国庫補助されています。職員は、多くは厚生省からの出向ですが、民間企業からの出向もあります。

3. 救済を受けられる副作用被害はどのようなものですか。
医薬品を適正に使用していたにもかかわらず、一定の重篤な副作用が発生した場合です。医師や製薬メーカー等責任の所在がはっきりしている場合、抗がん剤などの元々相当な副作用が予定されている場合、副作用が軽度な場合は救済の対象にはなりません。給付の内容は、医療費、障害年金、遺族一時金、遺族年金などです。

4. 認定はどこが行っていますか?また、認定率はどの程度ですか?
認定は、中央薬事審議会の副作用被害判定部会で行われます。全てのケースにつき個別に審査されています。審査は医学的・薬学的見地から厳正になされていますが、私が傍聴した際の感じで言えば、委員の方々は制度趣旨を理解して、なるべく広く救済しようとされているように感じます。認定率は80パーセントの前半くらいで推移しています。

5. 申請者数と給付額はどのように推移していますか。
申請者数は毎年増える傾向にあり、平成9年度で330件(実人数)です。また給付金額はやはり平成9年度で7億9700万円余りとなっています。

6. 給付率が予算に拘束されることはありませんか。
ありません。積立金が存在し、前年度実績に併せて企業からの拠出金率を変更するためです。

7. 問題点について
中央薬事審議会が統一的に審査できるよう、申請者には定型の診断書の提出をお願いしています。そのため、医師がその提出を拒んだ場合、申請が困難になる場合があります。また、まだまだ制度そのものの存在が知られていません。この辺りについては様々な方策で努力を重ねていくつもりです。

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