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 前回の報告直後、厚生省担当者と面談しました。厚生省の回答は、フェノテロールに関しては、患者が過剰な使用をしないように注意する緊急安全性情報を発信するなどの対応をしており、それで十分であるとのことでした。ところが、その一方で、そのような判断の根拠となっていると思われるフェノテロールに関する再審査・再評価の審議の内容などを質問すると、資料が保管されていないので答えられないという曖昧な返答を繰り返し、はからずも承認・再審査・再評価という薬の有効性・安全性を担保するための一連のシステムを厚生省自身が充分に検証できていないことを示す結果となりました。
 日本ベーリンガーインゲルハイム社に対しては、昨年一二月末に再質問書を送付しました。質問書では、安全な薬を製造販売する第一義的な責任をもつ製薬企業として、その義務に基づきフェノテロールの安全性を積極的かつ十分に説明するよう再度求めました。また、フェノテロールの安全性に関する同社の説明についての矛盾点を指摘しました。
 ところで、フェノテロールに関する活動の開始後これまで、OP会議に宛てて二十数例の情報が寄せられました。そこで、OP会議ではタイアップグループのメンバーと手分をけして追跡調査を実施した結果、これらの死亡例の内、心臓死(ことにアダムスストークス症候群の症例)が疑われる症例が相当数あることがわかりました。今後は、これらの死亡例について、さらに検討を深めていく予定です。

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