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H2ブロッカー配合胃腸薬に関する質問書(1)要旨
【医療現場での従前の取り扱い】
もともとH2ブロッカーは、胃酸分泌を抑える薬として、潰瘍対策、その後胃炎にも適用拡大された上で医療現場で用いられてきたが、これまで使用法を誤った際には重大な副作用があるとして、厚生省の医薬品副作用情報が繰り返し出されている(血液障害、精神錯乱、痙攣等)。また、使用を急に止めると胃酸分泌が増加するリバウンド現象により潰瘍が再発する例が多く、医師の指導に従って慎重な使用がなされてきた。

【有効性の問題】
H2ブロッカーの臨床試験を検討すると、H2ブロッカー単体と制酸剤(酸を中和する薬)との比較試験がなされておらず、その他の結果を見ても、より高い有効性があるという結論は導くことが出来ない。

【危険性の問題】
H2ブロッカーは、血液障害や感染症、精神錯乱等の重大な副作用をもたらす恐れがあるばかりか、他の薬との飲みあわせによる作用(相互作用)の危険もあり、消費者が医師の指導を受けずに手軽に服用することは危険性が大きい。

【薬局での説明の問題】
右のような危険性を薬局で全て説明し、消費者に理解させることは、販売の実態からしても、販売者及び消費者の能力の問題からしても極めて困難である(事実、販売実態調査ではほとんど適切な説明はなされず、誤った説明がなされる場合が多い)。また、購入者ではない者が使用する危険は避けられない。

【質問(抜粋)】
[1]OTC薬として適切な薬の基準をどう考えるか。[2]どの症状にどれだけの量を使えばどれだけの効果があるか、根拠となるデータを示されたい。[3]使用上の用法・容量が守られなかった場合の副作用・相互作用の程度をどう考えるか。[4]販売の際の説明について、必要事項の説明にどの程度の時間を要すると考えているか。そのような説明は可能と考えているか。[5]薬剤師・薬局の責任をどのように考えているか。[6]説明責任を薬局・薬剤師に求めることで、製薬企業の責任は軽減されると考えているか。[7]販売実態を把握しているか。把握しているものについて公開する予定はあるか。[8]過剰とも思える広告についてどう考えるか。[9]今後の具体的な対策をどう考えるか。

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