閉じる

 HPVワクチンの副反応はもともと他の定期接種ワクチンに比べて頻度が高いことが知られています。推定接種者が350万人(2021年12月末)の時点で、厚生労働省の副反応疑い報告件数は3408件。これは、はしかや風疹など他の定期接種ワクチンの平均の約8倍の頻度です。このうち入院相当以上の治療が必要な「重篤症例」は1970件。こちらの頻度も、他の定期接種ワクチンに比べて9倍くらいなのです。

 ところが、この件数でさえ、実は牴畩瓩妨表されていたということが、参議院の川田龍平議員の質問主意書に対する内閣の2022年8月5日付回答で明らかになりました。製薬企業から「重篤症例」として報告されていたうちの468件を、厚労省は「非重篤症例」として公表していたというのです。

 なぜこのような牴畩疊表が起きたのでしょうか?

 もともとワクチンの副反応疑い報告は、〔機法に基づく製薬企業報告=これらはすべて重篤=と、⇒祝廟楴鑠,亡陲鼎医療機関報告=こちらには重篤と非重篤がある=の2つのルートから報告されます。

 この2つのルートから同一人物の症例が報告されてきた場合、厚労省は「名寄せ」をして、ダブルカウントにならないように集計しているとしていました。

 ところが厚労省は、その「名寄せ」作業の中で、製薬企業から重篤として報告されたのに、医療機関からは非重篤として報告されていたもの(つまり重篤度の判断が食い違っているもの)については原則として、医療機関側の判断を優先し非重篤として公表していたことを初めて明らかにしました。厚労省によると、このような取り扱いは、他の定期接種ワクチンの「名寄せ」作業の際には一切行われていません。HPVワクチンだけの特例なのです。

 これはつまり、HPVワクチンの重篤副反応疑い報告の頻度を少なく見せようとしていたのではないか、その疑問を厚労省の担当者にぶつけてみました。するとその担当者からは「先生のお立場からはそう見えるかもしれませんが、そんな意図はありません」「副反応検討部会の先生方のご意向で、そのような取り扱いをしています」という木で鼻をくくったような答えでした。しかも川田議員が質問主意書を出すまで、こうした特例の取り扱いをしていることを公表しなかったことに対しても、悪びれる様子はまったくありませんでした。

 しかし国にはワクチンの安全性と有効性について、国民に正しい情報提供をする義務があるはずです。その意味で、今回明らかになったような姑息な手段で重篤報告を牴畩瓩妨せていたことは、厚労省のワクチン政策への信頼性を失わせる重大問題であると、私たちは考えます。

 そこで当会議では2022年9月13日、厚労大臣に対し「HPVワクチンの副反応疑い報告のあり方に関する要望書―重篤症例数の過少計上の見直しと重複報告症例の「名寄せ」整理の復活を求める―」を提出しました。

 ぜひお読みいただいて、この問題に注目していただきたいと思います。

閉じる