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 薬機法の改正に関する衆参両院の厚生労働委員会の審議に関し、衆議院は私、参議院は当会議メンバーの隈本さんが参考人として意見を述べました。当会議から2名の参考人が出るのは、新型コロナワクチンに関する予防接種法の改正審議に続き2度目のことです。当会議の意見書は衆参両院の調査室が作成する資料にも引用されており、審議においても、私たちが意見書において指摘した問題点を踏まえた質問が多くの議員によって行われ、意見書は生かされていると感じました。

 また、衆参両院の附帯決議にも一定の反映がありました。

 この審議の中で、私たちは、これまでに、医薬品を早期に市場に出すための例外的な制度の下で承認された薬には問題があり、その批判的総括が必要だと指摘し、例としてアビガン、ゾフルーザ、ステミラックなどを挙げ、アビガンについては、国会議員の質問も多数行われました。

 ところが、薬機法改正の審議が終了したかと思った途端、ゾフルーザを備蓄薬に加えることが検討されているというニュースが入ってきました。ゾフルーザは、日本発の新薬を、短い審査期間で承認し世界に向けて売り出すことを後押しする趣旨で導入された先駆け審査指定制度の適用により、2018年 2 月、承認申請から 4か月で承認された抗インフルエンザ薬です。作用機序こそ新しかったのですが、有効性においては既存薬であるタミフルに勝るところがない一方、高率で耐性が生じ、多数の重篤副作用症例及び死亡症例が報告されています。当会議は2回にわたって要望書を提出して承認取消等を求めています。

 日本初というだけで前のめりになる、アビガンで示された悪弊が性懲りも無く、また繰り返されようとしています。引き続き問題を指摘していきたいと思います。

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