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 新型コロナワクチンの接種が始まった2021年春頃、米ファイザー社が「治験の結果、2回目の接種後半年経っても有効性は91.3%ある」と発表していたのを覚えていますか。世界の多くの人が流行の早期収束を期待したことでしょう。ところが実際にはワクチンの効果は半年も持たず、次々とブレイクスルー感染が発生しています。つまり治験の成績は、現実世界では通用しなかったということです。

 ワクチンの治験は多くてもせいぜい数万人規模。ところが世界ですでに45億人が接種しています。つまり対象者の十万分の1の人に接種した結果をもって製造販売が承認されてしまうということです。しかもその治験には、超高齢者や妊婦、重篤な基礎疾患を持った人などは参加していません。

 だから市販後の安全対策が大切なのです。しかし日本のワクチン市販後安全対策は、メーカーと医療機関からの自発報告をただ待つだけ。接種した人がどこの誰か、接種券を配った各自治体がすべて把握しているにもかかわらず、接種後の副反応について追跡調査をするしくみもありません。

 その結果、新型コロナワクチン接種後の死亡報告がすでに1450人にのぼっているのに、すべてが「ワクチン接種と関係がない(11人・0.8%)」か「情報不足等のため評価不能(1440人・99.3%)」に分類され、安全対策に役立てられていません。1400人を超える書類を見て次々と評価不能に分類していく狎賁膕鉢瓩、いったいどこの誰なのか、何を基準に評価不能としているのか、まったく明らかにされていません。

 副反応疑い報告では、心筋炎・心膜炎が若い男性に他の世代よりも高頻度で報告されていますが、いまはただその報告が積み上がっていくだけ。接種年齢の制限やワクチンとの因果関係を探る症例対象研究などは行われていないのです。

 そこで当会議では2022年1月14日、厚生労働省に対し、「新型コロナウイルスワクチンの市販後安全対策と救済について」の意見書を出しました。

 意見書では

● 接種後の死亡の99%以上が「情報不足等により評価不能」とされている現状を見直し安全対策に生かすべき

● 因果関係の判定指針を公開し判定する専門家の利益相反関係を明らかにすべき

● ワクチン接種記録と接種後の医療データを突合して追跡調査ができるしくみを創設すべき

● メーカーと医療機関からの自発報告を待つだけでなく市民がオンラインで容易に副反応を報告できる制度を創設すべき

● 接種後の被害救済においては明らかに因果関係がないものを除いて幅広く対象とするよう制度の見直しを行うべき

との意見を述べています。

 新型コロナワクチンは3つとも海外のデータだけで認める「特例承認」で、有効性・安全性のデータが少ないことは厚労省自身も認めています。それなのに特段、市販後安全対策を強化していないことは許されないことです。政府の早急な対応を求めます。

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