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 抗インフルエンザ薬としても猯等生瓩世辰織▲咼ンを新型コロナ治療薬として使おうとする藤田医科大学の「アビガン観察研究」。当会議では、2020年の5月と7月、2度にわたって意見書を出し、問題点を指摘してきました。

 効果が不明確で安全性にも懸念がある適応外の薬を、国の資金で「研究」の形を装って多くの患者に使うことは、医薬品承認制度の根幹をないがしろにするものです。

 しかし藤田医科大学も国もそのまま「観察研究」を強行し、患者数はついに1万人を超えてしまいました。

 その1万人の治療成績を2021年4月に藤田医科大学が発表しました。その内容は極めて衝撃的で、入院時に酸素投与を必要としなかった軽症患者にアビガンを投与した結果、致死率が3.6%に達していました。28人に1人が死亡していたのです。

 比較対象として、全国の新型コロナ入院患者全体のデータを登録した国立国際医療研究センターのCOVID–19レジストリ研究の軽症患者の致死率0.4%と比べると約9倍の高率です。COVID–19レジストリ研究のデータは、さまざまな治療法が適用されている患者の全国平均です。アビガン投与は患者にとって危険な治療法であることがはっきりとわかってきました。

 一方、有効性については、昨年行われた国内の治験で有効性の証明に失敗したあと、クウェートで行われた治験でも、有効性を示せませんでした。2回連続で治験に失敗しているのです。

 さらにアビガンの「観察研究」を続けていることの危険性を示す事実が、2021年6月、製造販売企業の富士フイルム富山化学が医療機関に密かに配布した「お知らせ」の中にありました。「アビガンを飲んだ女性が、その後妊娠していたことが判明した」というのです。妊娠検査が偽陰性だったためだとのことですが、動物実験で強い催奇形性が判明しているこの薬を一般に流通させる危険性を証明する出来事です。しかし富士フイルム富山化学は、いまだにこの事実をウェブサイト等で公表しておらず、この女性の転帰がどうなったかについても明らかにしていません。

 これらの事実をもとに、当会議では2021年9月13日、3度目の意見書「アビガン『観察研究』の即時中止を求める再度の意見書―アビガン投与患者の致死率の高さを踏まえて―」を厚生労働大臣、藤田医科大学、富士フイルム富山化学に対して提出しました。

 安倍元総理大臣が会見で製品名を連呼して宣伝し、「有名人が飲んだら治った」式の報道が繰り返されたことの影響なのか、いまだにアビガンに期待をしている人も多いようです。しかしその後のデータで明らかになってきたのは、そうした期待を裏切る薬だということです。すぐに危険な「観察研究」を中止すべきです。

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