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 東京小児科医会と東京産婦人科医会は2020年7月、「思春期のあなたに狢臉擇淵錺チン瓩あります それが『HPVワクチン』です(子宮頸がんを予防するワクチン)」と題したリーフレットの配布・販売を始めました。

 リーフレットには「子宮頸がんは20〜30歳代の若い女性に多い病気です」という項目があり、そこに「このがんのために毎年約3000人の若い女性が命を失っています」という記述がありました。

 しかしこれはいずれも明らかな虚偽です。

 国立がん研究センター「がん登録・統計」によると、子宮頸がんの罹患者が最も多いのは40歳代であり、「20〜30歳代の若い女性に多い病気」ではありません。また2018年の子宮頸がんによる死者は、すべての年齢層の合計でも2871人であり、「若い女性が約3000人死亡」しているという事実はありません。

 その後、BuzzFeed Japanというネットメディアが、虚偽の数値に基づいたこのリーフレットの画像をそのまま紹介した上で、作成に当たった、東京小児科医会理事の萩原温久医師の談話として「毎年日本では、約1万人が子宮頸がんを発症し、約3000人の子育て世代の女性の命が奪われています」と報道しました。ワクチン推進のために、医療の専門家が虚偽のデータを宣伝して病気の恐怖を煽り、ネットメディアがそれをそのまま報じ続けていることは決して許されません。

 当会議では、2021年2月、東京小児科医会と産婦人科医会、さらに連名でこのリーフレットの宣伝をしていた東京都医師会に対して「リーフレットの使用中止と回収」を求める書面を送り、BuzzFeed Japanにも訂正記事を出すよう求めました。

 これに対して、約20日後、3団体からは、誤りを認める回答が届きました。ただその内容は、リーフレットの記述のうち「20〜30歳代の若い女性に多い病気」を「20〜30歳代を含む女性に多い病気」に、「毎年約3000人の若い女性が」を「毎年約3000人の女性が」に修正するだけ。回収は困難だとして拒否しました。しかも、東京小児科医会のウェブサイトでは修正箇所を示さずに修正版のリーフレットだけが掲載されているため、同医会が、虚偽の数値を半年以上にわたって掲載したことも、それを指摘されて訂正したこともわからないようになっています。

 BuzzFeed Japanはもっと姑息な対応をしました。

 当会議からの要請には回答せず、ウェブサイトをこっそり修正。しかしその内容は、萩原医師の談話のうち「約3000人の子育て世代の女性の命が」のところを、「約3000人の女性の命が」に変え、記事の末尾に

UPDATE
 2021年5月19日 15:24
 一部表現を修正しました

という3行を追加しただけでした。

 しかも、リーフレットを紹介する画像のほうでは、虚偽の数値が書かれた旧版の記述をそのまま掲載し続けています。

 本来、国民に正確な情報を伝えるべき職能団体が虚偽の事実を伝え、それをネットメディアが報道する。そして間違いが指摘されても真摯に対応しない。こんなやり方でHPVワクチンを推進しているという事実を皆さんには知っていただきたいと思います。

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