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 HPVワクチンをめぐる問題についてよく講演を依頼されます。本質的な論点は変わらないのですが、同じ話では申し訳ないと思ったりして、新しい話を盛り込もうと考えます。しかし、そうすると、限られた講演時間内におさめるために、これまで話していたことの一部を削ることになります。例えば、WHOの利益相反の話は、そのような観点から、つい、削ったり縮めたりしてしまっていたのですが、最近、根強いWHO信仰があるということを改めて知りました。そこで、このレターで改めてご紹介します。

 WHOは公正な国際機関だという印象をもっている人が多いようですが、少なくともHPVワクチンをめぐる政策に関してはそうではありません。

 そもそもWHOの財政のうち加盟国分担金が占める割合は一部に過ぎず、寄付が大きな割合を占め、その中にはHPVワクチンのメーカーも含まれています。

 また、WHOのワクチン安全性諮問委員会(GACVS)の委員の利益相反は深刻で、半年に一回の定期ミーティングには、薬害被害者の参加はありませんが、製薬企業関係者は参加しています。声明はそういう中で決まっていくのです。

 2014年には、日本の厚労省の意見交換会の発表者としてHPVワクチンの危険性を訴える研究者が招聘されていることを知ったGACVS委員長が、慌てて、HPVワクチンに関する業績もなく自ら専門家でないと自認していた推進派の研究者を有識者として送り込んだりしています。このときの厚労省担当者やGACVS委員長らの間で交わされた赤裸々なメールは、海外の情報公開制度で開示され明るみに出ました。ちなみに、現在のGACVSの委員長は、そのときの有識者、いわば「刺客」として送り込まれた人です。

 当会議では2016年に厚労省に質問書を提出しています。当会議のWEBサイトの検索画面で「意見交換会」と入れて、「『子宮頸がん予防ワクチンに関する意見交換会』に関する質問書」を是非ご覧ください。問題のメールも添付してあります。WHOのイメージが変わるはずです。

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